2026年11月4日時点の制度に基づいています。
外国人労働者を雇い入れたとき、または離職したときは、事業主が外国人雇用状況の届出を行う義務があります。雇用保険の被保険者になる場合は雇入れは翌月10日まで、ならない場合は雇入れ・離職とも翌月末日までが期限です。怠ると30万円以下の罰金の対象になります。
外国人雇用状況の届出とは
外国人雇用状況の届出は、外国人を雇う事業主に義務づけられた届出です。根拠は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律の第28条です。届出先は、厚生労働大臣(ハローワーク)です。
在留資格の確認や、ビザの申請とは別の手続きです。就労ビザを取得できても、雇用する会社側には、この届出が別に残ります。
対象となる事業主に、規模や業種の限定はありません。外国企業の日本法人でも、日本で外国人労働者を雇えば対象です。厚生労働省の案内では、独立行政法人、国立大学法人、公社等についても届出が必要とされています。
届出で記載する内容
届け出る内容は、外国人の氏名、在留資格、在留期間などです。事業主は、雇入れや離職の際に在留カードなどでこれらを確認します。事業主にとっては、在留資格と在留期間を社内で正しく管理する機会にもなります。
届出の対象者と対象外
対象は、日本で雇用される外国人労働者です。正社員に限りません。パートやアルバイトも含まれます。
| 区分 | 届出 |
|---|---|
| 就労ビザで働く外国人(技術・人文知識・国際業務など) | 必要 |
| 永住者・定住者・日本人の配偶者等など | 必要 |
| 留学生のアルバイトなど | 必要 |
| 在留資格「外交」「公用」 | 不要 |
| 特別永住者 | 不要 |
在留資格「外交」「公用」と特別永住者は、対象から除かれています。それ以外の外国人労働者は、届出の対象と考えてください。判断に迷う場合は、管轄のハローワークに確認します。
届出の期限と様式|雇用保険の有無で変わる
様式と期限は、その外国人が雇用保険の被保険者になるかどうかで分かれます。まず雇用保険の加入有無を確認します。
| 区分 | 届出の方法(様式) | 雇入れの期限 | 離職の期限 |
|---|---|---|---|
| 雇用保険の被保険者になる | 雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)/資格喪失届(様式第4号) | 翌月10日まで | 翌日から起算して10日以内 |
| 雇用保険の被保険者にならない | 外国人雇用状況届出書(様式第3号) | 翌月末日まで | 翌月末日まで |
被保険者になる場合の期限は、雇用保険の資格取得届・資格喪失届の提出期限と同じです。この2つの届出を提出することで、外国人雇用状況の届出を行ったことになります。
被保険者にならない場合は、様式第3号の届出書を別に提出します。雇用保険の加入基準そのものは、社会保険・労働保険の加入義務の記事で整理しています。
期限の数え方の例
- 雇用保険に加入する社員を11月15日に雇い入れた場合:翌月の12月10日までに提出します。
- 雇用保険に加入しないアルバイトを11月15日に雇い入れた場合:翌月末日の12月末日までに提出します。
この2例は、上の表の期限を日付に当てはめたものです。期限の直前ではなく、余裕をもって提出することをお勧めします。
様式と提出方法の確かめ方
様式第3号は、厚生労働省のページからダウンロードできます。同ページでは、令和9年4月1日からは新しい様式を使うよう案内されています。提出の前に、使う様式が最新かどうかを必ず確認してください。
様式第3号による届出は、インターネットでの電子申請にも対応しています。方法や受付の詳細は、厚生労働省のページで確認します。
届出までの社内手順
届出漏れの多くは、採用時の確認が人によってばらつくことが原因です。次の順で、手順を固定しておくと防げます。
- 採用が決まったら、在留カードの原本を確認します。
- 在留資格の種類と在留期間を確認します。
- その仕事が、在留資格で認められた活動の範囲かを確認します。
- 資格外活動許可が必要な場合は、許可の有無を確認します。
- 雇用保険の加入有無を判断し、使う様式を決めます。
- 期限内に提出し、控えを保管します。
在留カードの確認は、届出のためだけではありません。警視庁の案内では、不法就労者を雇用した事業主は不法就労助長罪の処罰対象になります。罰則は、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、またはその併科です。
同じ案内では、不法就労者と知らなくても、在留カードの確認をしていないなどの過失があれば処罰の対象になるとされています。採用前の確認が基本です。
就労ビザの種類ごとの要件は、外国人社員の採用と就労ビザで解説しています。
よくある実務上の注意点
在留期間の更新後の管理
在留期限が近づいたら、更新が済んでいるかを会社側でも確認します。更新後の在留カードの写しを人事ファイルに残しておくと、社内の管理が安定します。本人側の届出義務は、在留カードの届出義務の記事にまとめています。
届出事項に誤りがないか
届出には、氏名、在留資格、在留期間などを記載します。記載する項目は、様式で確認してください。虚偽の届出も罰則の対象です。在留カードの記載どおりに転記します。
離職時の届出を忘れない
届出は、雇入れだけでなく離職のときも必要です。退職の手続きの流れに、離職時の届出を入れておきます。雇用保険の被保険者かどうかで、様式と期限が変わる点は雇入れと同じです。
特定技能など受け入れ要件が別にある場合
特定技能の外国人を受け入れる場合は、この届出とは別に、受け入れ機関としての基準や支援の義務があります。詳しくは特定技能の受け入れ要件をご覧ください。
罰則と、届出を怠った場合のリスク
警視庁の案内では、外国人雇用状況の届出を怠った場合の罰則は、30万円以下の罰金です。虚偽の届出をした場合も、同様に罰則の対象です。
外国人を雇う会社は、在留資格の申請や更新などで、行政と継続的に関わります。届出を適切に行い、日常の管理体制を整えておくことが、長期的な信用につながります。
届出の前に準備するもの
届出の前に、次の情報をそろえます。いずれも、在留カードで確認できる内容が中心です。
- 在留カードの原本(雇入れ時に確認し、写しを保管する)
- 氏名、在留資格、在留期間の情報
- 雇用保険の加入有無の判断結果
- 雇入れ日または離職日
在留カードの記載と、届出書の内容が一致しているかを、提出前に別の担当者が見直すと誤りを減らせます。
最新の運用を確かめる方法
様式や運用は、改正されることがあります。実務では、次の2点を定期的に確認してください。
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出」のページで、様式と届出方法を確認する。
- 不明点は、管轄のハローワークに問い合わせる。
外国人雇用状況の届出に関するTIMOAのサポート
外国人の採用では、在留資格の確認、雇用保険・社会保険の手続き、届出の期限管理が同時に発生します。TIMOAは、日本進出後の人材・ビザ・生活の立ち上げを一体で支援しています。
在留資格の申請や雇用保険・社会保険の手続きなど、資格者の業務にあたる部分は、TIMOAが連携する行政書士・社会保険労務士が担当します。採用手順の整理や、社内の確認フローづくりのご相談も可能です。ビザ・人材全般の支援内容は、ビザ・人材・生活のサービスページをご覧ください。
まとめ
外国人雇用状況の届出は、外国人を雇うすべての事業主の義務です。ポイントは次の3点です。
- 対象は、「外交」「公用」と特別永住者を除く外国人労働者です。
- 雇用保険に入る場合は雇入れ翌月10日まで、入らない場合は翌月末日までが期限です。
- 採用時に在留カードを確認する手順を固定し、控えを保管します。
よくある質問
外国人雇用状況の届出は誰が行うのですか?
外国人労働者を雇用する事業主です。在留資格「外交」「公用」と特別永住者を除く外国人労働者の雇入れと離職が対象です。
届出の期限はいつですか?
雇用保険の被保険者になる外国人は、雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内です。被保険者にならない外国人は、雇入れ・離職ともに翌月末日までです。
届出をしないとどうなりますか?
届出を怠ったり、虚偽の届出をしたりした場合は、30万円以下の罰金の対象になります。
アルバイトや短時間勤務の外国人も届出が必要ですか?
必要です。雇用保険の被保険者にならない場合は、外国人雇用状況届出書(様式第3号)で届け出ます。
参考・出典
- 「外国人雇用状況の届出」について|厚生労働省 www.mhlw.go.jp
- 外国人の適正雇用について|警視庁 www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp
更新履歴
- 公開