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スタートアップビザとは|外国人起業活動促進事業の仕組みと申請の流れ

スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)は、自治体の支援を受けながら日本で起業準備をするための制度です。2025年1月から準備期間は最長2年になりました。仕組み、要件、申請の流れ、経営・管理ビザへの移行時の注意点を解説します。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)は、外国人が日本で起業の準備をするための制度です。経済産業大臣の認定を受けた自治体が起業準備活動計画を確認し、在留資格「特定活動」で最長2年間の準備が認められます。その間に、経営・管理ビザの要件を整えます。

スタートアップビザ(外国人起業活動促進事業)とは

経営・管理ビザは、申請の時点で事務所を確保し、事業の規模の基準を満たしている必要があります。海外に住んだまま、これらをすべて準備するのは簡単ではありません。

スタートアップビザは、この準備を日本で行えるようにする制度です。認定を受けた自治体(認定自治体)が、起業家の準備活動を管理・支援することが前提になります。経済産業省の告示に基づく全国の制度で、「スタートアップビザ」は通称です。

項目 スタートアップビザ 経営・管理ビザ
在留資格 特定活動 経営・管理
期間 起業準備のため、最長2年 5年、3年、1年、6月、4月、3月のいずれか(更新可)
申請時の事務所 準備期間中に確保する 確保していることが必要
資本金などの規模 準備期間中に整える 資本金等3,000万円以上などの基準を満たす
自治体の関与 計画の確認と、準備期間中の管理・支援 なし

2025年の見直しで変わったこと

  • 最長2年に延長:2025年1月1日に関係する告示が改正され、起業準備の期間が最長2年になりました。
  • 特区制度との一本化:国家戦略特区の外国人創業活動促進事業と一本化し、全国で使える制度として整理されました。以前は二つの制度を併用して、最長1年6か月の準備が認められていました。
  • 経営・管理の基準改正:2025年10月16日に経営・管理の許可基準が改正され、同じ日に関連する告示も改正されました。

準備期間の終わりには、改正後の経営・管理の基準を満たす必要があります。資本金等3,000万円以上、常勤職員の雇用、日本語能力、経歴などです。詳しくは経営・管理ビザの許可基準の改正をご覧ください。

スタートアップビザの要件

要件の骨格は全国共通ですが、細かな条件や必要書類は自治体ごとに定められています。主な確認項目は次のとおりです。

  • 起業する場所:認定自治体の区域内で事業を始めること
  • 起業準備活動計画:事業の内容、準備のスケジュール、資金計画が具体的であること
  • 計画の実現性:準備期間中に、事務所の確保や事業規模など経営・管理の要件を満たす見込みがあること
  • 生活と準備の資金:準備期間中の生活費と準備費用をまかなえること
  • 住居:日本での住まいを確保していること

自治体によっては、対象とする事業分野を定めていたり、面談を行ったりします。まず起業を予定する地域の自治体に、制度の有無と受付方法を確認します。

起業準備活動計画書に書く内容

自治体の確認で中心になるのが、起業準備活動計画書です。様式は自治体ごとに異なりますが、おおむね次の内容を記載します。

記載事項 書き方のポイント
事業の概要 商品やサービス、対象とする顧客、競合との違いを具体的に書く
準備のスケジュール 事務所の確保、会社設立、採用などを月単位で示す
資金計画 自己資金の額と出所、資本金や生活費への配分を示す
本人の経歴 事業に関連する職歴、学歴、経営の経験を示す
日本での拠点 住居と、事務所を構える予定の地域を示す

計画は、準備期間後に経営・管理の基準を満たせるかという視点で読まれます。資金の額と出所、職員の採用時期、事業計画書の専門家確認の予定まで、改正後の基準から逆算して書くことが大切です。

スタートアップビザが向いているケース

  • 事業の構想はあるが、日本での事務所や取引先の確保はこれからという方
  • 日本の市場を調査しながら、事業計画を固めたい方
  • 起業を予定する地域の自治体から、助言や支援を受けたい方

一方、すでに資金と事務所の目途が立ち、経営・管理の要件を満たせる方は、最初から経営・管理ビザを申請するほうが手続は少なくて済みます。

スタートアップビザの申請の流れ

  1. 自治体への相談:認定自治体の窓口で、事業計画と制度の適合性を相談します。
  2. 確認申請:確認申請書に、起業準備活動計画書、履歴書、誓約書、住居を示す書類などを添えて自治体に提出します。
  3. 確認証明書の交付:自治体が計画を確認すると、確認証明書が交付されます。
  4. 入管の手続:確認証明書を添えて、出入国在留管理庁の手続を行います。海外からは在留資格認定証明書の交付申請、日本にいる方は在留資格の変更申請が基本です。
  5. 入国と準備活動:在留資格「特定活動」で入国し、計画に沿って準備を進めます。
  6. 更新と進捗確認:在留期間を更新するたびに、自治体が準備の進み具合を確認します。更新の時期や頻度は、自治体の案内で確認します。
  7. 経営・管理への変更:要件が整ったら、在留資格を経営・管理へ変更します。

確認証明書があれば必ず在留が認められるわけではありません。入管の審査は別に行われ、本人の経歴や資金の出所なども確認されます。

準備期間中にできること・注意点

準備期間は、経営・管理の要件を満たすための期間です。次の準備を、計画に沿って進めます。

準備の項目 主な内容
事務所の確保 事業用の賃貸借契約。実体のないバーチャルオフィスは認められにくく、自宅との兼用も原則として認められない
会社の設立 定款の作成、資本金の払込み、設立登記
法人口座の開設 設立後の口座開設。審査に時間がかかることがある
資金の準備 資本金等3,000万円以上と、その出所を示す資料
人材の確保 常勤職員の採用と、社会保険・雇用保険の手続
事業計画の確認 経営の専門家による事業計画書の確認

会社設立の具体的な手順は、外国人が日本で会社を設立する流れで解説しています。設立後の口座開設は、外国人経営者の法人口座開設を参考に早めに準備します。

注意したい点

  • 活動の範囲:行えるのは、原則として確認を受けた起業準備活動です。計画にない仕事で報酬を得ることはできません。
  • 進捗の管理:計画どおりに準備が進まないと、更新の際に自治体の確認を受けられないおそれがあります。
  • 期間の上限:最長2年を過ぎて、起業準備のために在留を続けることはできません。
  • 家族の帯同:家族を伴う場合は、家族の在留資格の扱いも申請前に確認します。

ほかの制度との違い

世界の大学ランキング上位校の卒業生を対象とする「未来創造人材」(J-Find)も、起業準備に使える特定活動の制度です。対象者や要件が異なるため、自分がどちらに当てはまるかを確認します。

経営・管理ビザへ変更するときの確認事項

準備期間の終わりには、在留資格を経営・管理へ変更する申請をします。この段階では、通常の経営・管理の申請と同じ基準で審査されます。

  • 事務所が確保され、事業を始められる状態にあること
  • 資本金等の額と、その資金の形成の経緯を説明できること
  • 常勤職員を雇用していること
  • 申請者または常勤職員に、相当程度の日本語能力があること
  • 事業計画書が、経営の専門家の確認を受けていること
  • 申請者が、経営・管理の経験や関連する学位などの経歴の基準を満たすこと

変更申請の審査にも時間がかかります。在留期間の満了が近づいてから慌てないよう、余裕をもって申請します。準備期間中の活動の記録や自治体とのやり取りも、事業の実態を示す資料として整理しておきます。

スタートアップビザのまとめ

スタートアップビザは、自治体の管理と支援のもとで、最長2年間の起業準備を日本で行える制度です。ただし、準備期間の終わりには改正後の経営・管理の基準を満たす必要があります。資金、事務所、人材の準備を逆算して計画することが大切です。

TIMOAは、提携する行政書士・司法書士・税理士とともに、自治体への確認申請の準備、会社設立、事務所探し、経営・管理ビザへの変更まで一貫して支援します。詳しくはビザ・人材・生活のサービスをご覧ください。

よくある質問

スタートアップビザはどこの自治体でも申請できますか?

経済産業大臣の認定を受けた自治体などの管理・支援を受けて起業準備をする場合に限られます。対象の自治体と受付方法は、各自治体の案内で確認します。

スタートアップビザの期間はどのくらいですか?

2025年1月1日の告示改正により、起業準備の期間は最長2年になりました。在留期間は更新しながら延ばしていく仕組みで、更新の際に自治体が準備の進み具合を確認します。

2年以内に経営・管理ビザの要件を満たせなかった場合はどうなりますか?

起業準備のための在留を続けることはできません。帰国するか、要件を満たす別の在留資格への変更を検討することになります。

準備期間中にアルバイトをして生活費を稼げますか?

在留中に行える活動は、原則として確認を受けた起業準備活動に限られます。生活費は、申請時に用意した資金でまかなう前提で計画します。

参考・出典

  1. 京都府 スタートアップビザの申請受付(在留期間の最長2年への延長、令和7年10月16日の告示改正) www.pref.kyoto.jp
  2. 内閣府地方創生推進事務局 スタートアップビザの全国展開 www.chisou.go.jp
  3. 内閣府地方創生推進事務局 外国人創業活動促進事業の見直しに関する通知(令和7年1月1日施行) www.chisou.go.jp
  4. 出入国在留管理庁 在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について www.moj.go.jp
  5. 愛知県 外国人起業活動促進事業(スタートアップビザ)の案内 www.pref.aichi.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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