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外国人社員の採用と就労ビザ|技術・人文知識・国際業務の要件と手続き

外国人を正社員として採用するときは、多くの場合「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得します。対象となる仕事、学歴・職歴と報酬の要件、カテゴリー別の提出書類、標準処理期間、採用後に必要な届出を企業向けに解説します。

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執筆
TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

外国人を正社員として採用する場合、多くは在留資格「技術・人文知識・国際業務」を取得します。認められるには、仕事が専門的な業務であること、本人の学歴や職歴が仕事と関連していること、日本人と同等額以上の報酬であることが必要です。海外から呼ぶときは在留資格認定証明書交付申請、日本にいる留学生などは在留資格変更許可申請を行います。

技術・人文知識・国際業務で働ける仕事

区分 業務の例 関連する知識
技術 システム開発、設計、生産技術 理学、工学などの自然科学
人文知識 企画、マーケティング、経理、法務、人事 法律学、経済学、社会学などの人文科学
国際業務 翻訳・通訳、語学指導、海外取引業務、デザイン 外国の文化に基盤を持つ思考や感受性

工場のライン作業、飲食店の接客、清掃など、専門的な知識を必要としない業務は、この在留資格の対象になりません。こうした分野で外国人を受け入れる場合は、特定技能など別の制度を検討します。詳しくは特定技能制度:受け入れ企業の要件と支援をご覧ください。

技術・人文知識・国際業務の要件

本人の学歴・職歴

区分 学歴で満たす場合 実務経験で満たす場合
技術・人文知識 業務に関連する科目を専攻して大学を卒業(同等以上の教育を含む)、または日本の専修学校の専門課程を修了 業務に関連する実務経験10年以上(大学などで関連科目を専攻した期間を含む)
国際業務 大学を卒業した方が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は、実務経験は不要 業務に関連する実務経験3年以上

学んだ内容と業務の関連性は、審査で重視されます。卒業証明書や成績証明書で専攻を示し、職務内容の説明と結び付けて説明します。

報酬

日本人が同じ業務に従事する場合に受ける報酬と同等額以上であることが必要です。金額の一律の基準はなく、社内の日本人社員や、同じ地域・業種の水準と比べて判断されます。

会社側の状況

会社の事業が安定して続いていること、その外国人を雇う必要があること、専門的な業務が十分な量あることも見られます。設立して間もない会社では、事業計画書や今後の見通しで説明します。

審査で問題になりやすい例

  • 専攻と業務の関連が説明できない(例:文学を専攻した方をシステム開発職で採用する)
  • 職務内容に、専門性のない作業が多く含まれている
  • 報酬が、同じ業務の日本人社員より低い
  • 翻訳・通訳の担当として採用するが、会社に翻訳・通訳の業務量が十分にない
  • 申請書の職務内容と、雇用契約書や会社案内の記載が一致しない

入社後の研修として現場の作業を一定期間行う場合は、研修計画の内容と期間を説明できるようにしておきます。

カテゴリー別の提出書類

提出書類は、雇用する会社がどのカテゴリーに当たるかで変わります。

カテゴリー 主な該当機関 書類の量
1 日本の証券取引所の上場企業、国・地方公共団体など 少ない
2 前年分の法定調書合計表で、給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人 少ない
3 前年分の法定調書合計表を提出した団体・個人(カテゴリー2を除く) 多い
4 いずれにも当たらない団体・個人(設立1年目の会社など) 多い

カテゴリー3・4で主に求められる書類

  • 雇用契約書や労働条件通知書など、活動の内容・期間・地位・報酬を示す書類
  • 本人の学歴・職歴を証明する書類(卒業証明書、在職証明書など)
  • 登記事項証明書や会社案内など、事業内容を示す資料
  • 直近の決算文書の写し(新設会社は事業計画書)

外国語の書類には日本語訳を付けます。最新の提出書類は、出入国在留管理庁の在留資格ごとのページで確認します。

採用から就労開始までの流れ

ケース 必要な手続き 標準処理期間
海外から呼び寄せる 在留資格認定証明書交付申請(受け入れる会社の職員などが代理人として申請できる) 1か月〜3か月
日本の留学生を採用する 在留資格変更許可申請 出入国在留管理庁の案内で確認(時期や案件で変わる)
技術・人文知識・国際業務で働く方を中途採用する 同じ在留資格の範囲の仕事なら変更申請は原則不要。就労資格証明書で事前に確認する方法もある ―
  1. 募集・選考:仕事内容と本人の専攻・職歴の関連を確認する
  2. 内定・雇用契約:業務内容、報酬、雇用期間を明記し、在留資格の許可を条件とする契約にしておく
  3. 申請書類の作成と申請
  4. 許可:海外からの場合は認定証明書を本人に送り、本人が現地の日本大使館・総領事館で査証を受ける
  5. 入社、社会保険・雇用保険の手続き
  6. 外国人雇用状況の届出

在留資格認定証明書の有効期間は3か月です。入社日は、審査期間と査証の手続きを見込んで設定します。

雇用契約書に明記すること

  • 具体的な職務内容(申請書の記載と一致させる)
  • 報酬の額と内訳(基本給、手当、賞与)
  • 雇用期間と就労開始日
  • 勤務地と勤務時間
  • 在留資格の許可が得られない場合の取扱い

中途採用のときの就労資格証明書

就労資格証明書は、外国人が行える就労活動を出入国在留管理庁が証明する書面です。すでに技術・人文知識・国際業務で在留する方を中途採用するとき、新しい仕事が在留資格に合っているかを事前に確認する手段になります。申請は任意ですが、次の更新で業務内容が問題になるリスクを下げられます。

留学生を採用する場合

留学生のアルバイトは資格外活動許可にもとづくもので、原則として週28時間以内に制限されています。卒業後に正社員として働くには、入社前に在留資格の変更許可を受ける必要があります。入社日から逆算して、早めに申請します。

審査期間の見込み方

標準処理期間は目安で、申請が集中する時期や、追加の資料を求められた場合は長くなります。出入国在留管理庁は、在留審査の処理期間の実績も公表しています。入社日は余裕をもって決め、追加資料の依頼にすぐ対応できるよう、会社の決算書類や本人の証明書をそろえておきます。

採用後に会社と本人が行う届出

届出 届出をする人 期限・窓口
外国人雇用状況の届出 会社 雇用保険の被保険者は資格取得届とあわせて翌月10日まで、それ以外は雇入れの翌月末日まで(ハローワーク)
契約機関に関する届出 本人 契約の終了・新たな契約の締結から14日以内(出入国在留管理庁)
中長期在留者の受入れに関する届出 会社 受入れの開始・終了から14日以内(努力義務)

外国人雇用状況の届出は、外国人を雇う全ての事業主の義務です。雇う前に在留カードで、在留資格、在留期間、就労制限の有無を確認します。

不法就労にならないための注意

  • 在留資格で認められた範囲を超える業務を、主な仕事としてさせない
  • 在留期間の満了日を管理し、更新申請を忘れない
  • 就労できない在留資格の方や、在留期間が切れた方を雇わない

在留資格で認められない仕事をさせると、会社側も不法就労助長罪に問われるおそれがあります。配置転換や業務内容の変更をするときも、在留資格の範囲に収まるかを確認します。

在留期間と更新

技術・人文知識・国際業務の在留期間は、5年、3年、1年、3か月のいずれかです。審査にかかる期間は時期や案件で変わるため、満了日が近づく前に申請します。転職や業務内容の変更があった場合は、更新の際に、新しい仕事が在留資格に合っているかが審査されます。

在留期間が6か月以上ある場合、更新申請はおおむね満了日の3か月前からできます。満了日までに申請していれば、審査中に期限を過ぎても、処分の時か満了日から2か月が経つ日の、いずれか早い時までは引き続き働けます。会社としても、社員ごとの満了日を一覧で管理し、早めに更新の準備を促すと安心です。

学歴や年収などの条件を満たす人材であれば、優遇措置のある高度専門職ビザも選択肢になります。社員が家族を呼ぶ場合は、家族滞在ビザの要件もあわせて確認しておきます。

TIMOAにできること

外国人社員の採用では、仕事内容の整理、雇用契約、在留資格の申請、入社後の届出と社会保険が一続きになります。TIMOAは、提携する行政書士・社会保険労務士とともに、職務内容と在留資格の適合確認から申請書類の準備、採用後の届出や在留期間の管理までを支援しています。詳しくはビザ・人材・生活のページをご覧ください。

よくある質問

大学を卒業していない人でも採用できますか?

技術・人文知識の業務では、関連する実務経験が10年以上あれば認められる場合があります。国際業務は3年以上の実務経験が基準です。日本の専修学校の専門課程を修了した方も対象になります。

留学生のアルバイトを、そのまま正社員にできますか?

できますが、入社前に在留資格の変更許可が必要です。仕事の内容が専攻と関連する専門的な業務であることが求められます。

技術・人文知識・国際業務の外国人を中途採用するとき、手続きは必要ですか?

同じ在留資格の範囲の仕事であれば、変更申請は原則不要です。本人は14日以内に契約機関に関する届出をし、会社は外国人雇用状況の届出をします。

給与はいくら以上にすればよいですか?

一律の金額の基準はありません。日本人が同じ業務に従事する場合の報酬と同等額以上であることが必要で、社内の日本人社員などの水準と比べて判断されます。

参考・出典

  1. 出入国在留管理庁 在留資格「技術・人文知識・国際業務」 www.moj.go.jp
  2. 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請 www.moj.go.jp
  3. 出入国在留管理庁 在留資格変更許可申請 www.moj.go.jp
  4. 出入国在留管理庁 就労資格証明書交付申請 www.moj.go.jp
  5. 出入国在留管理庁 在留資格「留学」から就労資格への変更申請を予定されている皆様へ www.moj.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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