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企業内転勤ビザの要件と手続き|海外本社から日本へ社員を送る方法

企業内転勤は、海外の本社やグループ会社の社員を、日本の事業所へ期間を定めて転勤させるための在留資格です。海外での1年以上の勤務と、日本人と同等額以上の報酬が要件です。対象となる転勤、必要書類、技術・人文知識・国際業務との違いを解説します。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

企業内転勤は、海外の本社やグループ会社の社員を、日本の事業所へ期間を定めて転勤させるための在留資格です。転勤の直前に海外の事業所で1年以上継続して専門的な業務に従事していること、日本人と同等額以上の報酬を受けることが要件です。学歴の要件はありません。

企業内転勤ビザで行える活動

企業内転勤の活動は、次のように定められています。日本に本店・支店などの事業所がある機関の、外国の事業所の職員が、日本の事業所に期間を定めて転勤し、そこで技術・人文知識・国際業務に当たる活動を行うことです。

対象となる転勤の範囲

同じ法人の中の異動だけでなく、資本関係のあるグループ会社の間の異動も対象になります。

転勤元(海外) 転勤先(日本) 確認される点
外国の本社 同じ法人の日本支店 同一法人内の異動であること(転勤命令書など)
外国の親会社 日本の子会社(日本法人) 両社の出資関係
外国の子会社・関連会社 日本の親会社やグループ会社 両社の資本関係

転勤先は、日本で事業を行う実体のある事業所である必要があります。登記事項証明書や事務所の資料で、事業所の存在を示します。

日本で行える業務

行える業務は、技術・人文知識・国際業務に当たるものに限られます。システム開発、設計、企画、マーケティング、経理、海外取引業務などです。工場での単純作業や店舗の接客など、専門性を必要としない業務には従事できません。

在留期間は、5年、3年、1年、3月のいずれかです。転勤の期間をあらかじめ定めることが前提で、辞令などに期間を記載します。

企業内転勤ビザの要件

要件 内容 主な確認資料
海外での勤務期間 転勤の直前に、海外の事業所で技術・人文知識・国際業務に当たる業務に、継続して1年以上従事していること 在職証明書、経歴書
報酬 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上であること 辞令、労働条件を示す文書
業務内容 技術・人文知識・国際業務に当たる専門的な業務であること 職務内容の説明書
受入れ先 日本の事業所に事業の実体と継続性があること 登記事項証明書、決算書、事務所の資料

海外での1年以上の勤務

1年以上の勤務は、転勤の直前に継続していることが必要です。入社して間もない社員や、海外の事業所で専門的でない業務に就いていた社員は、要件を満たしません。過去に企業内転勤で日本の事業所に勤務した期間がある場合は、その期間を合算できます。

報酬の水準

報酬は、同じ業務に従事する日本人と同等額以上であることが必要です。一律の金額基準はなく、社内の日本人社員や地域・業種の水準と比べて判断されます。

審査で問題になりやすい例

  • 海外での勤務が1年に満たない、または途中で雇用関係が途切れている
  • 海外での職務が、現場作業など専門的でない内容だった
  • 日本での職務内容に、専門性のない作業が多く含まれている
  • 報酬が、同じ業務に従事する日本人社員より低い
  • 転勤元と転勤先の資本関係を、資料で示せない

在職証明書には、在職期間だけでなく、担当した職務の内容も具体的に記載してもらいます。海外で作成する書類には日本語訳を付けます。

技術・人文知識・国際業務との違い

海外の社員を日本で働かせる方法には、企業内転勤のほかに、日本の会社が直接雇用する「技術・人文知識・国際業務」もあります。

項目 企業内転勤 技術・人文知識・国際業務
学歴・実務経験 不要(海外の事業所での1年以上の勤務が必要) 関連分野の大学卒業、または一定年数の実務経験が必要
雇用の形 同じ企業グループ内での転勤 日本の会社との雇用契約など
期間 転勤の期間を定める 期間の定めは必須ではない
勤務先の変更 グループ外に移るには在留資格の変更が必要 同じ種類の業務なら転職できる(届出が必要)

大学を卒業していない社員でも、海外での勤務実績があれば企業内転勤を使えます。一方、日本で長く働いてもらう予定なら、技術・人文知識・国際業務のほうが適している場合があります。要件の詳細は外国人社員の採用と就労ビザで解説しています。

申請の流れと提出書類

審査にかかる期間は、時期や案件によって異なります。赴任の予定日から逆算して、余裕をもって申請します。

  1. 転勤の期間、職務内容、報酬を決め、辞令や労働条件の文書を用意する
  2. 日本の事業所の職員などが代理人となり、地方出入国在留管理官署に在留資格認定証明書の交付を申請する
  3. 交付された証明書を本人に送り、現地の日本大使館・総領事館で査証を申請する
  4. 入国して在留カードを受け取り、住居地を定めた日から14日以内に市区町村で住居地の届出をする

転勤期間の延長と更新

当初の予定より長く日本で勤務させる場合は、在留期間の満了前に更新を申請します。更新では、転勤の期間を延ばしたことを示す辞令や、日本での勤務状況、納税の状況などが確認されます。転勤が終わって本国に戻る場合は、日本法人の退職や社会保険の資格喪失の手続も忘れずに行います。

カテゴリー別の提出書類

提出書類は、受け入れる日本の機関がどのカテゴリーに当たるかで変わります。

カテゴリー 主な該当機関 書類の量
1 日本の証券取引所の上場企業、国・地方公共団体など 少ない
2 前年分の給与所得の源泉徴収税額が1,000万円以上の団体・個人 少ない
3 前年分の法定調書合計表を提出した団体・個人(カテゴリー2を除く) 多い
4 上記のいずれにも当たらない団体・個人(設立直後の会社など) 多い

カテゴリー3・4では、次のような資料が求められます。

  • 同一法人内の転勤では、転勤命令書や辞令の写し
  • 法人をまたぐ転勤では、労働基準法に基づき交付する労働条件を明示する文書
  • 日本の法人と海外の転勤元の出資関係を明らかにする資料
  • 日本の事業所の存在を示す資料(登記事項証明書、事務所の写真など)と直近の決算書
  • 本人の海外での職歴を示す在職証明書など

提出書類の一覧は見直されることがあります。申請の前に、出入国在留管理庁の在留資格のページで最新の一覧を確認します。

日本の拠点づくりと受入れの注意点

  • 拠点の形:支店でも子会社でも受け入れられます。拠点の形は、税務や責任の範囲にも影響します。比較は日本支店と日本法人(子会社)の違いをご覧ください。
  • 設立直後の拠点:決算の実績がないため、事業計画書や事務所の契約書で事業の実体を説明します。
  • 社会保険:日本の事業所で働く社員は、原則として健康保険・厚生年金保険の加入対象です。中国から派遣される場合は、日中社会保障協定により、一定の条件で年金制度の加入が調整される場合があります。手続は社会保険・労働保険の加入義務で確認できます。
  • 給与の支払元:給与を海外本社と日本法人のどちらが支払うかは、源泉徴収や移転価格にも関係します。
  • 家族:配偶者と子は、在留資格「家族滞在」で呼び寄せられます。

企業内転勤2号の新設

2024年の入管法改正で、技能実習制度に代わる育成就労制度が創設されました。あわせて、企業内転勤に「2号」が新設され、企業が海外の自社の職員を受け入れて行う単独型の技能実習の受け皿になるとされています。2号は、育成就労制度の施行にあわせて運用が始まる予定です。施行日や2号の要件、受入れの条件は、出入国在留管理庁の公表内容で確認する必要があります。

企業内転勤ビザのまとめ

企業内転勤は、学歴を問わず、グループ内の経験ある社員を日本に送れる在留資格です。ただし、海外での1年以上の勤務、日本人と同等額以上の報酬、専門的な業務内容という要件を、書類で示す必要があります。日本の拠点の形や給与の支払い方も、あわせて設計することが大切です。

TIMOAは、提携する行政書士・社会保険労務士・税理士とともに、日本拠点の設立、在留資格の申請、社会保険と給与の手続、社員と家族の生活の立ち上げまで支援します。詳しくはビザ・人材・生活のサービスをご覧ください。

よくある質問

企業内転勤ビザに学歴の要件はありますか?

ありません。転勤の直前に、海外の事業所で1年以上継続して専門的な業務に従事していれば、大学を卒業していなくても対象になります。

設立したばかりの日本法人にも社員を転勤させられますか?

可能です。ただし決算の実績がないため、事業計画書や事務所の資料などで、事業の実態と継続性を説明する必要があります。

企業内転勤ビザで日本の別の会社に転職できますか?

企業内転勤は、同じ企業グループ内の転勤を前提とした在留資格です。グループ外の会社に移る場合は、技術・人文知識・国際業務など別の在留資格への変更が必要になります。

家族を一緒に日本へ呼べますか?

企業内転勤で在留する社員の配偶者と子は、在留資格「家族滞在」で日本に滞在できます。扶養できる収入があることが前提です。

参考・出典

  1. 出入国在留管理庁 在留資格「企業内転勤」 www.moj.go.jp
  2. 出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請 www.moj.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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