2025年4月1日時点の制度に基づいています。
就労資格証明書とは、外国人が日本で行える就労活動を、出入国在留管理庁長官が証明する文書です。就労の許可証ではなく、取得は任意です。転職者を採用するときに、自社の業務が現在の在留資格の範囲内かを確認する手段として使われます。
就労資格証明書とは何か
就労資格証明書は、入管法第19条の2に定められた制度です。収入を伴う事業を運営する活動、または報酬を受ける活動を証明する文書で、日本に在留する外国人からの申請に基づいて交付されます。
外国人が合法的に働けるかどうかは、在留カードや資格外活動許可の有無などで確認できます。ただし、具体的にどの活動が認められているかは、入管法の別表にある在留資格ごとの活動を見ないと分かりにくい場合があります。そこで、本人が希望する場合に、行える就労活動を具体的に示す文書を交付できる仕組みが設けられました。
許可証ではない点に注意
出入国在留管理庁は、この証明書の位置づけを次のように説明しています。
- 就労活動ができるかどうかは、在留資格の種類や資格外活動許可の有無で決まる
- 証明書は、就労活動を行うための許可書ではない
- 証明書がなければ働けない、というものでもない
証明書は、確認のための補助的な書類と考えてください。取得していなくても、就労が認められている外国人は働けます。
どんなときに使うのか
企業側にとって、使い道として考えられる場面は次のとおりです。
- 他社から転職してきた外国人を採用するとき
- 在留資格は同じでも、新しい勤務先の業務が該当するか確認したいとき
出入国在留管理庁の申請ページでは、就労資格の許可を受けてから勤務先や活動内容に変更がない方と、転職などで変わった方とで、提出する書類が分かれています。転職後の確認も、手続の中で想定されています。
新規採用の全般的な流れは、外国人社員の採用と就労ビザで解説しています。あわせて確認してください。
申請の対象者と手続の流れ
対象者と申請の時期
手続の対象者は、就労することが認められている外国人です。申請の時期に定めはなく、交付を受けようとするときに申請します。申請の根拠は、出入国管理及び難民認定法第19条の2です。
申請を取り次げる人
本人が窓口に行けない場合は、取次ぎの制度があります。申請ページには、地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた人が取次者として示されています。
企業の職員などが取り次げるかどうかは、所属や承認の要件で変わります。社内の担当者が代行する場合は、事前に申請ページと管轄の出入国在留管理官署で要件を確認してください。
必要書類
必要書類は、勤務先や活動内容に変更があるかどうかで分かれます。申請ページで確認できる主な書類は次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 就労資格証明書交付申請書 | 新様式があり、PDFとExcelが公開されています |
| 在留カード | 提示します |
| 旅券または在留資格証明書 | 提示します。提示できないときは理由書が必要です |
| 資格外活動許可書 | 交付を受けている場合に提示します |
| 身分を証する文書等 | 取次者が申請書類を提出する場合に提示します |
転職などで勤務先や活動内容が変わった方は、上記に加えて、新しい活動を説明する書類の提出が求められます。具体的な書類名は、申請ページの一覧で確認してください。
手数料
手数料は、許可されるときに収入印紙で納付します。
| 申請方法 | 手数料 |
|---|---|
| 窓口での申請 | 2,000円 |
| オンライン申請 | 1,600円 |
この金額は、2025年4月1日以降の手数料です。2025年3月31日までに受け付けた申請は、改定前の1,200円が適用されました。金額は改定されることがあるため、申請前に就労資格証明書交付申請のページで最新の内容を確認してください。
提示を求めるときの注意点
入管法第19条の2第2項は、不利益な取扱いを禁じています。活動が明らかな場合に、外国人が証明書を提示しない、または提出しないことを理由に、不利益な取扱いをしてはなりません。
採用の場面では、次の点を守ってください。
- 証明書の提出を、採用や雇用継続の必須条件にしない
- 提出は、本人の希望による任意の協力として依頼する
- 在留カードとパスポートで、在留資格と在留期間を確認する
- 提出がなくても、そのことで内定や待遇を変えない
制度の目的は、雇用主と外国人の双方の利便を図ることです。外国人本人に負担を押しつける運用は避けてください。
証明書で解決できないケース
就労資格証明書は、現在の在留資格で行える活動を証明するものです。新しい業務が現在の在留資格に該当しないときは、証明書では解決しません。
- 業務内容が別の在留資格に当たる場合は、在留資格の変更許可申請を検討する
- 在留期限が近い場合は、在留期間更新許可申請の準備を優先する
- 副業や兼業で資格外活動許可が必要になる場合は、別途確認する
変更が必要かどうかの判断は、在留資格の変更許可申請の記事が参考になります。
申請前に準備しておくこと
申請をスムーズに進めるために、次の点を整理しておくと役立ちます。
- 本人の在留カードと旅券の有効性、記載内容を確認する
- 新しい勤務先での職務内容を、具体的に文章で整理する
- 転職前後で業務内容がどう変わるかを、本人と会社で共有する
- 誰が窓口に行くのか、取次ぎを使うのかを決める
- 申請書の様式が最新かどうか、申請ページで確認する
よくある誤りは、古い様式や古い手数料の情報で準備を進めてしまうことです。様式も金額も改定されることがあります。必ず出入国在留管理庁の公式ページを確認し、不明点は外国人在留総合インフォメーションセンターや管轄の出入国在留管理官署に問い合わせてください。
採用時に確認できる書類と、証明書の役割
出入国在留管理庁によると、外国人が日本で合法的に就労できるかは、複数の方法で確認できます。
- 旅券に貼付または押印された上陸許可証印
- 中長期在留者は在留カード、特別永住者は特別永住者証明書
- 資格外活動の許可を受けているかどうか
これらで就労の可否を確認したうえで、具体的な活動の範囲まで確かめたいときに、就労資格証明書が選択肢になります。まず在留カードを確認し、疑問が残る場合に証明書を検討する、という順序で考えると整理しやすくなります。
会社が採用前に確認する内容は、書面に残しておくと後で役立ちます。確認した日付、確認した書類の種類、担当者名を記録してください。在留カードの有効性や記載内容は、採用の都度確認します。
最新情報の確かめ方
入管手続の様式や手数料は、改定されることがあります。この記事の内容も、確認した時点のものです。次の順序で最新情報を確かめてください。
- 出入国在留管理庁の「就労資格証明書(入管法第19条の2)」のページで、制度の位置づけを確認する
- 同庁の「就労資格証明書交付申請」のページで、手数料、必要書類、様式を確認する
- 不明点は、外国人在留総合インフォメーションセンターや、住居地を管轄する出入国在留管理官署に問い合わせる
条文は、e-Govの法令検索で入管法第19条の2を確認できます。
採用後に会社が行う手続
証明書を取得するかどうかにかかわらず、採用後には会社の手続が残ります。
- 外国人雇用状況の届出。詳しくは外国人雇用状況の届出を参照してください
- 本人による所属機関に関する届出。詳しくは在留カードの届出義務で確認できます
証明書の取得が、これらの届出の代わりになるわけではありません。別の手続として、期限内に行ってください。
TIMOAにできること
外国人の採用や在留手続は、会社の事情によって進め方が変わります。TIMOAは、採用予定者の在留資格と業務内容の整理、必要書類の準備、日本語と中国語での案内を支援します。申請の取次ぎなど、専門家が行う手続は、TIMOAと連携する行政書士などの専門家が担当します。
制度全体の支援内容は、ビザ・人材・生活のサービスページでご案内しています。
よくある質問
就労資格証明書とは何ですか?
外国人が日本で行える、収入を伴う事業の運営活動や報酬を受ける活動を、出入国在留管理庁長官が証明する文書です。根拠は入管法第19条の2です。
就労資格証明書がないと外国人は働けませんか?
いいえ。就労できるかどうかは、在留資格の種類や資格外活動許可の有無で決まります。証明書は就労の許可書ではなく、なくても働くことはできます。
誰が対象で、いつ申請しますか?
対象は、就労することが認められている外国人です。申請期間の定めはなく、交付を受けようとするときに申請します。
採用時に就労資格証明書の提出を必須にできますか?
活動内容が明らかな場合に、提示しないことを理由に不利益な取扱いをすることは入管法で禁じられています。提出は本人の任意として依頼してください。
手数料や必要書類はどこで確認しますか?
出入国在留管理庁の「就労資格証明書交付申請」のページで確認できます。手数料は許可時に収入印紙で納付し、窓口は2,000円、オンラインは1,600円です。
参考・出典
- 就労資格証明書(入管法第19条の2)|出入国在留管理庁 www.moj.go.jp
- 就労資格証明書交付申請|出入国在留管理庁 www.moj.go.jp
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