2026年7月23日時点の制度に基づいています。
暗号資産の規制は、資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移ります。改正法は2026年7月15日に成立し、7月23日に公布されました。本体部分の施行は、公布から1年以内に政令で定める日です。
この記事では、日付を整理したうえで、日本で暗号資産事業を考える外国企業が今確認すべき点をまとめます。施行日と業規制の細目は、政省令で決まる部分があります。確認できていない事項は、断定せずに「未確定」と書きます。
暗号資産規制の金商法移管とは
暗号資産は、これまで「支払い手段」として資金決済法で規制されてきました。投資対象としての性格が強まったため、規制の中心を金商法へ移します。
改正法の正式名称は「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」です。令和8年法律第64号として公布されました。2026年4月10日に閣議決定され、第221回国会に提出された法案です。
報道や解説によると、暗号資産は有価証券とは異なる「金融商品」として金商法に位置づけられます。暗号資産の定義と範囲は、現行の資金決済法のものを維持すると解説されています。登録業者の名称も、「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」に変わると報じられています。
成立・公布・施行の日付を整理する
成立日、公布日、施行日は別のものです。「成立した日からすべてのルールが変わった」わけではありません。
| 項目 | 日付 | 内容 |
|---|---|---|
| 閣議決定・国会提出 | 2026年4月10日 | 改正法案を第221回国会に提出 |
| 成立 | 2026年7月15日 | 参議院本会議で可決 |
| 公布 | 2026年7月23日 | 令和8年法律第64号 |
| 暗号資産に関する本体部分の施行 | 公布から1年以内に政令で定める日 | 金商法への移管など。政令の公布状況は金融庁で確認が必要 |
私たちが確認できた資料の範囲では、本体部分の施行日を定める政令は、2026年8月20日時点の解説で未公布とされていました。その後の状況は確認できていません。金融庁の公表で、最新の状況を確認してください。
改正法には、暗号資産以外の改正も含まれます。たとえば、サステナビリティ情報の開示・保証やスタートアップへの資金供給に関する改正です。施行日は項目ごとに異なる可能性があります。この記事は暗号資産に関する部分だけを扱います。
「公布から1年以内の政令で定める日」の読み方
この表現は、施行日が法律の本文では決まっていないことを意味します。内閣が政令で日付を決めます。公布から1年以内であれば、いつでも決められます。そのため、日付が発表されるまで、準備の期間は確定しません。解説の中には「2027年施行」と題するものもありますが、日付そのものは政令で確認する必要があります。
改正で変わる主なポイント
報道や解説資料で挙げられている主な柱は、次のとおりです。
- 暗号資産取引に係る規制を、資金決済法から金商法へ移すこと
- 情報公表(開示)に関する制度を設けること
- インサイダー取引を含む不公正取引を規制すること
- 既存の登録業者について経過措置を設けること
取扱い基準、財務に関する規制などの業規制の細目は、政令や内閣府令で定められる部分があります。条文と府令が公表されるまで、数字や要件を断定することはできません。この記事でも、金額や比率は挙げません。
施行済みの部分があるかどうか
一部の規定が先に施行されるかどうかは、私たちの確認では裏づけが取れませんでした。そのため、この記事では先行施行の有無や日付を断定しません。無登録で暗号資産の取引サービスを提供する場合のリスクについては、金融庁の公表と改正法の附則で確認してください。
これから施行される部分
金商法への移管や暗号資産取引業の枠組みは、政令で定める日に施行されます。既存の登録業者がどう扱われるかは、政省令と経過措置の条文で確認が必要です。
外国企業が今確認すべきこと
日本で暗号資産の交換・取引サービスを提供するには、現行法でも、原則として内閣総理大臣の登録が必要です。海外のサービスを日本の居住者に向けて提供する場合も、登録の要否を確認する必要があります。
外国企業は、次の順で確認すると整理しやすくなります。
- 事業内容が「暗号資産の売買・交換・管理」などの登録対象に当たるかを確認する
- 日本拠点(国内の営業所や代表者)をどの形で置くかを決める
- 現行の登録要件と、改正後に求められる体制の両方を確認する
- 金融庁・財務局への事前相談の時期を決める
- 施行日と政省令の公表を継続して確認する
登録では、組織体制、システム管理、利用者財産の管理、マネー・ローンダリング対策などが問われます。体制づくりには時間がかかります。施行を待たずに準備を始めるほうが現実的です。
登録の種類の全体像は、日本の金融ライセンスの種類と登録の流れで整理しています。
日本拠点づくりで押さえる点
金融分野の登録では、日本法人の設立や拠点の整備が前提になる場合があります。次の点を早めに確認してください。
- 定款の事業目的に、登録を受ける業務を適切に記載すること。詳しくは定款の事業目的の書き方を参照してください。
- 外国資本の出資には、外為法の届出が必要になる場合があること。外為法の対内直接投資で基本を解説しています。
- 役員や責任者の経歴、社内規程、システム体制を書面で説明できるようにすること
外国企業の場合、海外グループの規程や監査体制をどう説明するかが論点になります。書類は日本語での説明が求められる場面があります。
最新情報の確かめ方と準備するもの
この分野は、政令や内閣府令の公表で内容が具体化します。次の手順で、確認を習慣にしてください。
- 金融庁のウェブサイトで、改正法の法律・概要・新旧対照条文を確認する
- 政令(施行日)が公布されたかを、官報や金融庁の公表で確認する
- 内閣府令などの案が出たら、パブリックコメントの内容を確認する
- 自社の事業モデルを、改正後の条文に当てはめて整理する
社内では、次の資料を先に整えておくと相談が進みます。
- 事業計画と、提供するサービスの内容を説明する資料
- 取り扱う暗号資産の種類と、その管理方法の説明
- 組織図と、各担当者の役割
- 海外グループの規程や、監査・内部管理の体制の説明
相談の場では、「どの業務を、どの国の利用者に向けて提供するか」を最初に聞かれます。ここが曖昧だと、登録の要否も判断できません。サービスの流れを図にして、資金と暗号資産がどこを通るかを示すと、整理が進みます。
よくある誤り
- 「成立したので、すでに全面施行された」と考えること。本体部分は政令で定める日からです。
- 「改正法の成立と同時に、税制も変わった」と考えること。暗号資産の税制は、別の法律で措置されたと解説されています。適用時期は、国税庁や財務省の公表資料で確認してください。
- 「施行されるまで何もしなくてよい」と考えること。現行法の登録義務は、改正前から続いています。
- 報道や解説の記述を、そのまま実務の根拠にすること。条文と公表資料で確認してください。
TIMOAにできること
TIMOAは、日本進出と金融ライセンスの準備を一括して支援します。登録の審査や申請書類の作成は、TIMOAが連携する行政書士・弁護士などの有資格者が担当します。TIMOA自身が資格を持つわけではありません。
対応できる範囲は、日本拠点の設立、事業目的や体制の整理、金融庁・財務局への相談に向けた資料づくりの支援です。登録の可否や時期をお約束することはできません。規制の最新情報を確認しながら、準備の順序を一緒に整理します。金融ライセンス全般のご相談は、許認可・金融ライセンスのサービスページをご覧ください。
よくある質問
暗号資産規制の金商法移管はいつ施行されますか。
暗号資産に関する本体部分は、公布日の2026年7月23日から1年以内に政令で定める日に施行されます。具体的な日付は政令で定められるため、金融庁の公表を確認してください。
改正法は成立した時点で全面的に施行されましたか。
いいえ。成立日(2026年7月15日)と施行日は別です。暗号資産に関する本体部分は、政令で定める日から施行されます。
暗号資産交換業者の名称は変わりますか。
報道によると、登録業者の名称は「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」に変わります。暗号資産は、有価証券とは異なる金融商品として金商法に位置づけられると解説されています。
外国企業は施行を待ってから準備を始めるべきですか。
待つ必要はありません。登録には社内体制や日本拠点の整備が必要で、時間がかかります。細目は政省令で決まる部分があるため、準備を進めながら最新情報を確認する進め方が現実的です。
参考・出典
- 2027年施行 暗号資産に関する金商法・資金決済法改正の概要(BUSINESS LAWYERS) www.businesslawyers.jp
- 暗号資産に係る2026年金商法等改正法の成立(PwC Japan 金融法務ニュースレター) www.pwc.com
- 仮想通貨を金商法で規制 改正法成立(日本経済新聞) www.nikkei.com
- 暗号資産に関する令和8年金融商品取引法改正の内容と施行時期(山中法律事務所) yamanaka-bengoshi.jp
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