会計・税務・労務

法人税の申告期限と納付期限|延長の特例・中間申告・遅れた場合の影響

法人税の確定申告と納付の期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。決算が間に合わない場合は申告期限を延長できますが、利子税がかかり、消費税や地方税は別の手続が必要です。中間申告や、期限に遅れた場合の影響もあわせて解説します。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

法人税の確定申告と納付の期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。定款の定めなどにより決算が確定しない場合は、申請すれば申告期限を原則1か月延長できます。ただし延長した期間には利子税がかかり、消費税と地方税は別の手続で延長します。

法人税の申告期限と納付期限の原則

法人は、事業年度ごとに決算を確定させ、その決算に基づいて法人税の確定申告書を提出します。期限と納付の原則は次のとおりです。

  • 確定申告の期限:事業年度終了の日の翌日から2か月以内
  • 納付の期限:確定申告の期限と同じ日
  • 休日の扱い:期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、その翌日が期限
決算日 申告・納付の期限(原則) 延長の特例を受けた場合
3月31日 5月31日 6月30日
6月30日 8月31日 9月30日
12月31日 翌年2月末日 翌年3月31日

延長の欄は、1か月の延長を受けた場合の例です。設立1期目は、設立の日から定款で定めた最初の決算日までが事業年度になります。

事業年度の決め方と申告の時期

事業年度は定款で定めます。期間は1年を超えることができません。外国企業の日本法人では、親会社の連結決算に合わせて決算日をそろえる例があります。一方、繁忙期と決算・申告の時期が重ならないように決める考え方もあります。事業年度を変更する場合は、定款を変更したうえで、税務署などに異動届出書を提出します。

同じ時期に申告する税金

税目 申告先 原則の期限
法人税・地方法人税 税務署 事業年度終了の日の翌日から2か月以内
防衛特別法人税(2026年4月1日以後に開始する事業年度から) 税務署 同上
法人住民税 都道府県・市町村 同上
法人事業税・特別法人事業税 都道府県 同上
消費税・地方消費税 税務署 課税期間の末日の翌日から2か月以内

資本金1億円を超える法人などは、法人税と消費税の申告をe-Taxで行う義務があります。税目ごとの仕組みは日本法人にかかる税金の全体像をご覧ください。

法人税の申告期限の延長の特例

株主総会で決算を承認するまでに2か月以上かかる会社は、申告期限の延長の特例を使えます。海外の親会社の決算日程や監査に合わせる外国企業の子会社で、よく使われる制度です。

延長の要件と期間

  • 原則(1か月):定款等の定めにより、または特別の事情により、事業年度終了の日の翌日から2か月以内に定時総会が招集されない常況にある場合です。
  • 会計監査人を置く法人:定款等の定めにより、3か月以内に定時総会が招集されない常況にある場合は、税務署長が指定する月数の延長を受けられます。

定款で、定時株主総会を事業年度終了後3か月以内に招集すると定めている会社が典型です。総会の時期を定款でどう定めているかを、まず確認します。

申請の手続と期限

  • 申請書:「定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請書」を、納税地の所轄税務署長に提出します。
  • 提出期限:最初に延長を受けたい事業年度の終了の日までです。決算日を過ぎてからでは間に合いません。
  • 承認:事業年度終了の日の翌日から15日以内に処分がなければ、延長が認められたものとみなされます。
  • 継続:一度認められると、以後の事業年度も延長が続きます。

延長しても利子税がかかる

延長の特例を受けると、延長後の申告期限までに納付すればよくなります。ただし、本来の期限の翌日から納付の日までの期間について、利子税がかかります。利子税を抑えたい場合は、本来の期限までに見込み額を納付しておく方法があります。

災害など、やむを得ない理由で決算が確定しない場合には、別の延長の制度があります。この場合は、事業年度終了の日の翌日から45日以内に申請します。

消費税と地方税の延長手続

法人税の申告期限を延長しても、ほかの税金の期限が自動的に延びるとは限りません。

税目 延長の扱い
消費税・地方消費税 法人税の延長の特例を受ける法人が「消費税申告期限延長届出書」を提出すると、1か月延長される
法人住民税 法人税の申告期限に合わせて延長される
法人事業税・特別法人事業税 都道府県への届出・申請が別に必要

消費税申告期限延長届出書は、延長を受けたい事業年度の終了の日を含む課税期間の末日までに提出します。延長した期間には、消費税にも利子税がかかります。中間申告の期限は延びません。

法人事業税の延長は、主たる事務所のある都道府県に届け出ます。様式や提出期限は都道府県ごとに定められているため、提出先の案内で確認します。

法人税・消費税の中間申告と納付

法人税の中間申告

事業年度が6か月を超える法人は、事業年度開始の日から6か月を経過した日から2か月以内に、中間申告と納付を行います。方法は2つあります。

  • 予定申告:前期の確定法人税額を前期の月数で割り、6を掛けた額を納付します。この額が10万円以下なら、中間申告は不要です。
  • 仮決算による中間申告:最初の6か月で仮に決算を行い、その税額で申告します。予定申告の税額を超える場合は使えません。

中間申告書を期限までに提出しないと、予定申告があったものとみなされます。設立1期目は前期の実績がないため、通常は不要です。

消費税の中間申告

消費税は、前の課税期間の消費税額(地方消費税を除く)に応じて、中間申告の回数が決まります。

前の課税期間の消費税額 中間申告の回数
48万円以下 不要(任意で年1回の中間申告を選べる)
48万円超400万円以下 年1回
400万円超4,800万円以下 年3回
4,800万円超 年11回

消費税の納税義務の判定は、消費税の免税事業者の判定で解説しています。

申告期限に遅れた場合の影響

  • 無申告加算税:期限後に申告すると、原則として納付税額に応じて無申告加算税がかかります。税務調査の通知の前に自主的に申告した場合は軽減されます。
  • 延滞税:納付が遅れると、法定納期限の翌日から納付の日までの日数に応じて延滞税がかかります。
  • 青色申告の取消し:2事業年度続けて期限内に申告書を提出しないと、原則として2事業年度目以後の青色申告の承認が取り消されます。欠損金の繰越控除などの特典を使えなくなります。

赤字で納付税額がない年も、申告は必要です。法人住民税の均等割は、赤字でも納付します。期限に間に合わない見込みのときは、延長の特例が使えるかを含めて、早めに税理士に相談します。

納税の状況は、銀行の融資審査や、経営・管理ビザの更新でも確認されます。期限の管理は、経営の信用に直結します。

3月決算の会社の年間スケジュール例

時期 手続
4月1日 事業年度の開始
11月30日 法人税の中間申告と納付の期限(必要な場合。消費税の中間申告が年1回の場合も同じ日)
3月31日 事業年度の終了。延長の特例の申請はこの日まで
5月31日 確定申告と納付の期限(延長がない場合)
6月30日 1か月の延長を受けた場合の確定申告の期限

設立直後の届出の期限は、会社設立後の届出一覧と期限で確認できます。

法人税の申告期限のまとめ

法人税の申告と納付は、事業年度終了の日の翌日から2か月以内が原則です。延長の特例は事業年度終了の日までの申請が必要で、消費税と法人事業税には別の手続があります。延長しても利子税がかかるため、納付の時期もあわせて計画することが大切です。

TIMOAは、提携する税理士とともに、事業年度と定款の設計、延長の特例の申請、月次の会計から決算と各税目の申告まで支援します。海外の親会社の決算日程に合わせたスケジュールづくりもお手伝いします。詳しくは会計・税務・労務のサービスをご覧ください。

よくある質問

3月決算の会社の法人税の申告期限はいつですか?

原則として5月31日です。期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、その翌日が期限になります。

申告期限を延長すると、納付期限も延びますか?

延長後の申告期限までに納付すればよいことになりますが、延長した期間については利子税がかかります。利子税を避けるため、本来の期限までに見込み額を納付する方法もあります。

法人税の申告期限を延長すれば、消費税の申告期限も延びますか?

自動的には延びません。法人税の延長の特例を受ける法人が消費税申告期限延長届出書を提出すると、消費税の申告期限も1か月延長されます。

設立1期目でも中間申告は必要ですか?

法人税の予定申告は前期の実績を基に計算するため、設立1期目は通常必要ありません。2期目以降は、前期の法人税額に応じて中間申告が必要になります。

参考・出典

  1. 国税庁 C1-17 定款の定め等による申告期限の延長の特例の申請 www.nta.go.jp
  2. 国税庁 No.6610 法人に係る消費税の確定申告書の提出期限について www.nta.go.jp
  3. 国税庁 法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針) www.nta.go.jp
  4. 大阪府 法人府民税・事業税の申告期限の延長 www.pref.osaka.lg.jp
  5. 国税庁 防衛特別法人税の納付方法について www.nta.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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