許認可・金融ライセンス

海外ファンドの日本販売に必要な登録|第一種・第二種金商業と投資運用業の違い

海外ファンドを日本の投資家に勧誘するには登録が必要になる場合があります。運用は投資運用業、自社ファンドの勧誘は第二種です。金融庁ガイドブックを基に、外国の運用会社の事例ごとに整理し、事前相談の準備も示します。

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TIMOA編集部
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2025年7月1日時点の制度に基づいています。

海外ファンドを日本の投資家に勧誘するには、金融商品取引法に基づく登録が必要になる場合があります。自ら組成したファンドの投資勧誘(自己募集等)は第二種金融商品取引業、ファンドの運用は投資運用業の登録が必要です。

この記事では、外国の運用会社が「どの行為に、どの登録が要るか」を整理します。基準は金融庁の「投資運用業等 登録手続ガイドブック」(令和7年7月 Ver. 4.0)です。個別の事案では、管轄の財務局への事前相談が前提になります。

金融商品取引業の登録が必要になる行為

ファンド関連の業務は、次の2つに分けて考えます。同じ会社が両方を行うなら、両方の登録を検討します。

  • ファンドの運用:投資運用業の登録が必要です。
  • 自ら組成したファンドの勧誘:第二種金融商品取引業の登録が必要です。

ガイドブックは、自己募集等を法2条8項7号イの行為として示しています。登録の根拠は法28条2項1号と法29条です。関東財務局のQ&Aでも、第二種業の登録で自己募集ができる有価証券に集団投資スキーム持分が挙げられています。

勧誘を販売会社に委託する場合

ガイドブックには、投資勧誘を第一種金融商品取引業者である販売会社に委託する場合は、自社の第二種登録が不要になる事例があります。ただし、これは事例ごとの整理です。自社の取引に当てはまるかは、スキームを示して財務局に確認してください。

外国の運用会社が日本で勧誘するケース

ガイドブックは、運用拠点が外国か国内か、組成するファンドの種類は何か、といった軸で事例を分けています。見るべき点は次の3つです。

  • ファンドを組成・運用する拠点は、外国か日本か
  • ファンドは外国籍か、国内籍か
  • 投資勧誘は自社で行うか、販売会社に委託するか

外国拠点で外国籍ファンドを運用し、日本の投資家に勧誘する場合

ガイドブックでは、自己の組成したファンドの投資勧誘を含む業務について、第二種金融商品取引業の登録が必要とされています。ただし、勧誘を第一種の販売会社に委託する場合は、登録不要とされています。

外国法人に固有の要件(日本国内での拠点や代表者など)は、事案ごとに異なります。この記事では断定しません。財務局とガイドブックで確認してください。

日本に拠点を置き、国内で組合型ファンドを運用・勧誘する場合

ガイドブックは、国内の投資運用会社が組合型ファンドを組成し、自ら勧誘する事例を示しています。この場合、ファンドの運用は投資運用業、自社ファンドの勧誘は第二種の整理です。運用と勧誘は別の行為として扱われます。

投資運用業の要件や手続きは、海外資産運用会社の日本参入で詳しく解説しています。

海外投資家向けの特例

金融庁の案内には、海外投資家等特例業務という制度があります。日本に拠点を有する者が、主として海外投資家向けに集団投資スキーム持分の自己運用と自己募集を行うものです。対象者や届出の要件があるため、利用の可否は財務局に確認してください。

行為ごとの登録の整理

ガイドブックの整理を、行為ごとに表にまとめます。例外の有無は事案ごとに異なります。

行為 必要な登録 確認すべき点
ファンドの運用 投資運用業 運用する拠点が外国か日本か
自ら組成したファンドの勧誘 第二種金融商品取引業 勧誘を第一種の販売会社に委託するか
主に海外投資家向けの自己運用・自己募集 特例業務の届出の対象となる場合があります 対象者と届出の要件

表の内容は、金融庁ガイドブックと金融庁の案内に基づきます。実際のスキームでは、投資家の属性やファンドの法的性質で結論が変わる場合があります。

申請書類づくりの注意

申請書類は、スキーム図、契約書、社内規則の内容が互いに矛盾しないようにします。外国語の資料は、日本語の訳文を用意します。作成した書類は、事前相談の段階で財務局に見てもらうと、修正点を早く把握できます。

登録の流れと準備の考え方

登録の申請先は、財務局です。申請書類の様式や添付書類は、種別ごとに財務局のページで案内されています。たとえば関東財務局は、第二種業の登録に係るQ&Aで、申請書と添付書類の一覧を示しています。

  1. 扱う商品と行為を分解し、必要な登録の種別を特定する
  2. ガイドブックの事例と照らし合わせる
  3. 財務局に事前相談し、必要な書類と体制を確認する
  4. 申請書類を準備し、申請する

審査期間や費用は、事案ごとに異なります。ここでは目安を示しません。

事前に整理しておく資料

  • ファンドのスキーム図と契約書案
  • 投資家の属性(プロ投資家のみか、一般投資家を含むか)
  • 運用と勧誘を行う拠点、人員、業務フロー
  • 出資者・役員の情報と、資金の流れ
  • 勧誘を委託する場合は、販売会社との契約案

よくある誤り

  • 運用と勧誘を同じ行為と考え、片方の登録しか検討しない
  • 外国籍ファンドだから日本の規制は関係ないと考える
  • 販売会社に委託すれば、すべての登録が不要になると考える
  • 先行事例をそのまま自社に当てはめ、財務局に確認しない

事前相談で確認したいこと

事前相談では、スキームを文書で示すと話が早く進みます。次の点を質問票にまとめておくと、確認漏れを防げます。

  1. 自社の行為は、運用、自己募集、他社ファンドの販売のどれに当たるか
  2. 必要な登録の種別は何か
  3. 勧誘を販売会社に委託する場合、自社の登録は不要になるか
  4. 外国法人として、日本で備えるべき拠点や代表者の要件はあるか
  5. 特例制度を使える可能性はあるか
  6. 申請書類の様式と添付書類は何か

回答は、日付と担当部署を添えて記録します。後から根拠を説明できるようにするためです。

社内で決めておくこと

登録の判断は、法務だけでは完結しません。事業部門が商品とスキームを説明し、法務や管理部門が体制を整えます。誰が何を担当するかを、早めに決めてください。

  • スキームを説明できる担当者
  • 財務局とのやり取りの窓口
  • 日本語と母国語の資料を整える担当者
  • 外部の専門家との連絡役

外国の本社の承認が必要な場合は、そのスケジュールも見込みます。本社の意思決定と日本側の準備は、並行して進めるのが現実的です。

最新情報の確かめ方

ガイドブックは改訂されます。この記事は、令和7年7月 Ver. 4.0 に基づきます。申請の前に、金融庁のウェブサイトで最新版を確認してください。

併せて、財務局の事前相談で、自社のスキームに当てはまる事例と、必要な書類を確認します。法令の改正や運用の変更は、金融庁と財務局の公表が一次情報です。

よくある疑問

プロ投資家だけに販売するなら登録は不要ですか

一律に不要とは言えません。特例制度はありますが、対象者や届出の要件が定められています。特例が使えるかどうかは、事前に財務局へ確認してください。

日本に会社を作らず、海外から勧誘できますか

登録の要否や必要な拠点は、勧誘の内容と相手によって変わります。個別の事案ごとに、財務局に確認する必要があります。

ほかの金融ライセンスとの比較は、日本の金融ライセンスの種類と登録の流れにまとめています。

まとめ:TIMOAにできること

要点は2つです。運用は投資運用業、自社ファンドの勧誘は第二種の登録が必要です。例外や特例の可否は個別判断のため、財務局への事前相談が欠かせません。

TIMOAは、日本進出を検討する外国企業に対し、事業スキームの整理、日本拠点の準備、財務局との事前相談に向けた資料づくりを支援します。登録申請などの法的な手続きは、TIMOAが連携する専門家が担当します。金融ライセンス全般については、許認可・金融ライセンスのサービスページもご覧ください。

よくある質問

海外ファンドを日本で勧誘するには何の登録が必要ですか

自ら組成したファンドの勧誘(自己募集等)は、第二種金融商品取引業の登録が必要とされています。運用も行う場合は投資運用業も必要です。

勧誘を販売会社に委託すれば登録は不要ですか

ガイドブックには、勧誘を第一種の販売会社に委託する場合は登録不要とされる事例があります。自社の取引が当てはまるかは財務局に確認してください。

登録はどこに申請しますか

財務局に申請します。申請前の事前相談をおすすめします。

プロ投資家だけに販売する場合も登録は必要ですか

一律に不要とは言えません。特例制度には対象者や届出の要件があるため、利用可否は財務局に確認してください。

参考・出典

  1. 投資運用業等 登録手続ガイドブック(令和7年7月 Ver. 4.0)|金融庁 www.fsa.go.jp
  2. 投資運用業等 登録手続ガイドブック 2(事業スキームと登録の要否・種別)|金融庁 www.fsa.go.jp
  3. ファンド関連ビジネスを行う方へ(登録・届出業務について)|金融庁 www.fsa.go.jp
  4. 登録に係るQ&A(第二種業)|関東財務局 lfb.mof.go.jp

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本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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