2026年10月1日時点の制度に基づいています。
高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収などをポイントで評価し、合計70点以上の外国人に認められる在留資格です。5年の在留期間、配偶者の就労、一定の条件での親や家事使用人の帯同などの優遇措置があり、永住許可の要件も緩和されます。80点以上であれば、永住許可に必要な在留期間は1年です。
高度専門職の3つの活動類型
| 類型 | 主な活動 | 例 |
|---|---|---|
| 1号イ 高度学術研究活動 | 研究、研究の指導、教育 | 大学・研究機関の研究者 |
| 1号ロ 高度専門・技術活動 | 自然科学・人文科学の知識や技術を要する業務 | エンジニア、企画・マーケティング職 |
| 1号ハ 高度経営・管理活動 | 事業の経営・管理 | 企業の代表者、役員 |
どの類型でも、ポイントの合計が70点以上であることが必要です。1号ロと1号ハは、ほかの項目で70点を超えても、年収が300万円に満たない場合は認められません。
高度専門職1号は、指定された所属機関での活動を前提とする在留資格です。許可されると、所属機関などを記載した指定書がパスポートに添付されます。転職する場合は、在留資格の変更手続きが必要です。
ポイント計算の方法
出入国在留管理庁が公開するポイント計算表を使い、当てはまる項目の点数を合計します。基本となる項目は学歴、職歴、年収、年齢です。これに、日本語能力や日本の大学の卒業などによる加点があります。配点は類型ごとに異なるため、自分の類型の計算表を使います。
主な項目と配点の例(1号ロ)
| 項目 | 配点の例 |
|---|---|
| 学歴 | 博士30点、修士20点、大学卒業10点(原則として最も高い学位で計算) |
| 職歴 | 従事する業務の実務経験の年数に応じて加点 |
| 年収 | 年齢により区分。1,000万円以上で40点 |
| 年齢 | 29歳以下15点、34歳以下10点、39歳以下5点 |
| 日本語能力 | 日本語能力試験N1合格など15点、N2合格など10点 |
| 日本の大学 | 日本の大学・大学院で学位を取得した場合10点 |
年収は、過去の実績ではなく、日本で今後受ける予定の報酬の年額で計算します。基本給のほか、賞与や手当も含まれます。年齢などを判断する基準の時点は、出入国在留管理庁のQ&Aで確認します。
計算の例
28歳で博士号を持ち、日本語能力試験N1に合格した方が、年収1,000万円で採用される場合を考えます。学歴30点、年齢15点、日本語15点、年収40点で、職歴を除いても合計100点です。反対に、学歴や年収の点が低い場合は、日本語能力や日本の大学の卒業などの加点で70点に届くかを確認します。
点数を証明する資料
申請では、ポイント計算表とあわせて、各項目を証明する資料を出します。学位記や卒業証明書、在職証明書、報酬額を示す雇用契約書、日本語能力試験の合格証明などです。合計が70点以上であることを確認できる資料があれば足り、全ての項目を証明する必要はありません。
点数は申請時点で判断されます。在留中に点数が下がっても、すぐに在留資格を失うことはありません。ただし、更新申請の時点で70点に満たない場合は、更新が認められません。
70点・80点で受けられる優遇措置
| 優遇措置 | 内容 |
|---|---|
| 複合的な在留活動 | 許可された活動とあわせて、関連する事業の経営など、複数の在留資格にまたがる活動ができる |
| 在留期間 | 1号には5年の在留期間が付与される |
| 永住許可の要件緩和 | 70点以上は3年、80点以上は1年の在留で申請できる |
| 配偶者の就労 | 学歴・職歴の要件を満たさなくても、研究、教育、技術・人文知識・国際業務などの活動ができる(同居、日本人と同等額以上の報酬などが条件) |
| 親の帯同 | 世帯年収800万円以上で、7歳未満の子の養育などの場合に、本人または配偶者の親を呼べる |
| 家事使用人の帯同 | 世帯年収1,000万円以上などの条件で、外国人の家事使用人を雇用できる |
| 優先処理 | 入国・在留の審査が優先的に処理される |
配偶者の就労、親や家事使用人の帯同には、それぞれ細かな条件があります。家族を呼ぶ一般的な方法は家族滞在ビザの要件もあわせてご覧ください。
永住許可の要件緩和
永住許可は、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが求められます。高度人材のポイントが70点以上の方は3年、80点以上の方は1年の在留で申請できます。高度専門職以外の在留資格で在留している方でも、ポイント計算で70点・80点を満たしていたことを資料で示せば、この特例を使える場合があります。永住の要件全体は永住許可の要件と審査のポイントで解説しています。
技術・人文知識・国際業務との比較
会社員として働く外国人の多くは「技術・人文知識・国際業務」で在留しています。ポイントが70点以上あれば、高度専門職1号ロへの変更を検討できます。
| 項目 | 高度専門職1号ロ | 技術・人文知識・国際業務 |
|---|---|---|
| 在留期間 | 5年 | 5年、3年、1年、3か月のいずれか |
| 配偶者の就労 | 条件を満たせば、学歴・職歴の要件なしで就労できる | 家族滞在の場合は、資格外活動許可の範囲内 |
| 親・家事使用人の帯同 | 条件を満たせば可能 | 原則として認められない |
| 永住許可に必要な在留期間 | 70点以上で3年、80点以上で1年 | 原則10年(うち就労資格などで5年以上) |
| 転職 | 在留資格の変更許可が必要 | 同じ在留資格の範囲なら変更は原則不要(届出は必要) |
高度専門職2号と特別高度人材(J-Skip)
高度専門職2号
1号で3年以上活動し、70点以上などの要件を満たすと、高度専門職2号に変更できます。2号は在留期間が無期限です。1号で認められる活動に加えて、就労資格で認められる幅広い活動ができます。
特別高度人材制度(J-Skip)
2023年に始まった制度で、ポイント計算によらず、学歴・職歴と年収で認められます。
| 類型 | 基準 |
|---|---|
| 研究・専門技術(1号イ・ロ) | 修士号以上かつ年収2,000万円以上、または実務経験10年以上かつ年収2,000万円以上 |
| 経営・管理(1号ハ) | 経営・管理の実務経験5年以上かつ年収4,000万円以上 |
特別高度人材は、通常の高度専門職より優遇措置が拡充されており、1号で1年以上活動すると2号に移行できます。更新の時点で基準を満たしていない場合は、更新が認められません。
申請の流れと注意点
- ポイント計算表で、自分の類型の点数を試算する
- 点数を証明できる資料をそろえる(学位、職歴、年収、日本語能力など)
- 海外からは在留資格認定証明書交付申請、日本にいる方は在留資格変更許可申請を行う
- 許可後、在留カードを受け取り、指定書の内容を確認する
審査には一定の期間がかかります。標準処理期間は出入国在留管理庁の案内で確認し、入社日や入国予定日から逆算して申請します。高度専門職の申請は優先的に処理されますが、個別の審査期間が保証されるものではありません。
日本で会社を経営する方は、1号ハと、一般的な経営・管理ビザのどちらが合うかを比べて選びます。年収や経歴でポイントが足りない場合は、経営・管理ビザで申請し、実績を積んでから高度専門職への変更を検討する方法もあります。
制度の見直しの動き
外国人の受入れに関する制度は、近年見直しが続いています。2026年には第二次出入国在留管理基本計画の策定も進められており、今後、高度人材に関する基準や配点が変わる可能性もあります。基準が改正される場合は、新しい内容と施行日を出入国在留管理庁の公表で確認してください。申請を考えている方は、現行の基準で何点になるかを早めに確認しておくことをおすすめします。
まとめ
高度専門職ビザは、学歴・職歴・年収・年齢などの合計が70点以上で認められ、5年の在留期間や家族に関する優遇、永住許可の要件緩和を受けられます。点数は申請時点と更新時点で確認されるため、資料で証明できる点数を正確に把握することが大切です。
TIMOAは、提携する行政書士とともに、ポイントの試算、証明資料の準備、在留資格の選択から申請までを支援しています。詳しくはビザ・人材・生活のページをご覧ください。
よくある質問
年収が300万円未満でも高度専門職になれますか?
1号ロ(高度専門・技術活動)と1号ハ(高度経営・管理活動)は、年収300万円未満の場合、ほかの項目で70点を超えても認められません。
在留中にポイントが70点を下回ったらどうなりますか?
すぐに在留資格を失うことはありません。ただし、更新申請の時点で70点に満たない場合は、更新が認められません。
転職しても高度専門職のままでいられますか?
高度専門職1号は所属機関を指定した在留資格です。転職先で引き続き高度専門職として働く場合も、在留資格の変更許可申請が必要です。
高度専門職の在留資格がなくても、永住の特例を使えますか?
ポイント計算で70点または80点以上であったことを資料で示せれば、ほかの在留資格からでも、永住許可の在留期間の特例を使える場合があります。
参考・出典
- 出入国在留管理庁 在留資格「高度専門職」(高度人材ポイント制) www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 どのような優遇措置が受けられる? www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 高度人材ポイント制Q&A www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 特別高度人材制度(J-Skip) www.moj.go.jp