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休眠会社とみなし解散|放置した日本法人のリスクと継続・清算の手続き

最後の登記から12年が経った株式会社は「休眠会社」として、法務大臣の公告から2か月以内に届出か登記をしないと、解散したものとみなされます。令和8年度の期限、放置した日本法人のリスク、解散後に会社を継続する方法を解説します。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

最後の登記から12年が経過した株式会社は「休眠会社」とされます。法務大臣の官報公告から2か月以内に、「まだ事業を廃止していない」旨の届出か何らかの登記をしないと、解散したものとみなされます。令和8年度は2026年10月15日に公告が行われ、期限は12月15日です。

休眠会社とは:みなし解散の対象

会社法は、長期間登記がない株式会社を整理する仕組みを定めています。法務省は、この「休眠会社・休眠一般法人の整理作業」を毎年行っています。

法人の種類 対象となる条件
株式会社 最後の登記から12年を経過している
一般社団法人・一般財団法人 最後の登記から5年を経過している
合同会社などの持分会社 対象外

基準は、最後に何らかの登記をした日からの期間です。実際に営業しているかどうかは関係ありません。営業を続けていても、登記を12年間していなければ対象になります。

なぜ12年で対象になるのか

株式会社の取締役の任期は原則2年です。株式の譲渡を制限している会社でも、定款で延ばせるのは最長10年です。監査役の任期も、同じく最長10年までです。役員が同じ人のまま続投する場合も、任期が来るたびに重任の登記が必要です。12年間登記がない会社は、この役員変更の登記を怠っている可能性が高いと考えられます。

自社が対象かどうかを確認する方法

最後の登記の日は、登記事項証明書で確認できます。証明書には、登記事項ごとに登記の日が記載されています。法務局の窓口のほか、オンラインでも請求できます。役員の欄で最後に就任・重任の登記をした日を確認し、次の任期満了日も計算しておきます。

外国企業の日本子会社が休眠しやすい理由

  • 設立時の代表者が帰国し、日本に連絡を受ける人がいない
  • 役員の任期を最長の10年にしたまま、満了に気づかない
  • 事業を本国に戻した後も、会社だけが残っている
  • 本店として使っていた事務所の契約が終わり、郵便が届かない

いずれも、親会社の担当者が日本の登記の仕組みを知らないまま時間が過ぎることが原因です。

整理作業の流れと令和8年度のスケジュール

時期 内容
2026年10月15日 法務大臣が官報で公告し、登記所が対象の会社に通知書を送る
2026年12月15日まで 「まだ事業を廃止していない」旨の届出、または役員変更などの登記をする
期限の経過後 届出も登記もない会社について、登記官が職権で解散の登記をする
解散とみなされてから3年以内 株主総会の特別決議で会社を継続できる

届出のしかた

届出は、登記所から届いた通知書に付いている届出の様式に必要事項を書き、登記所に郵送するか持参して行います。通知書が手元にない場合の届出のしかたも、法務省の案内に示されています。期限内に役員変更などの登記を申請した場合は、届出をしなくても解散の登記はされません。

届出をしても、必要な登記をしない限り、翌年も整理作業の対象になります。届出はあくまで一時的な手段と考え、役員変更などの登記を済ませます。

通知書が届かなくても手続きは進む

通知書は、登記されている本店の所在地に送られます。本店を移したのに登記を変えていない会社や、海外の親会社が管理していて本店に誰もいない会社では、通知に気づかないことがあります。それでも、官報公告から2か月が過ぎれば、解散したものとみなされます。

令和8年度の期限までにすること

  1. 登記事項証明書を取り、最後の登記の日と役員の任期を確認する
  2. 登記所からの通知書が届いていないか、本店所在地の郵便を確認する
  3. 任期が満了している役員について、株主総会で選任し、就任の承諾を得る
  4. 役員変更の登記を、2026年12月15日までに申請する
  5. 登記が間に合わない場合は、期限までに「まだ事業を廃止していない」旨の届出をする
  6. 本店の移転など、ほかに登記していない変更がないかも確認する

海外に住む役員の署名証明の取得や、書類の翻訳には時間がかかります。期限の直前ではなく、公告に気づいた時点で準備を始めます。

休眠状態の日本法人を放置するリスク

  • みなし解散:解散後は清算の目的の範囲でしか活動できず、新しい取引ができなくなります。
  • 過料:役員変更などの登記を怠ると、代表者が100万円以下の過料に処されることがあります。後から届出や登記をしても、登記を怠った事実は消えません。
  • 税務:事業をしていなくても、法人として存続する限り、申告の義務は原則として続きます。地方税の均等割がかかる場合もあります。期限内の申告がない年度が2期続くと、青色申告の承認を取り消されることがあります。
  • 在留資格:経営・管理の在留資格で会社を経営している場合、会社が活動していないと更新の審査に影響します。詳しくは経営・管理ビザの更新をご覧ください。
  • 信用:取引先や金融機関が登記事項証明書を確認したときに、解散の記載があると信用を失います。
  • 銀行口座:長く取引のない法人口座は、銀行が利用を制限したり、確認を求めたりすることがあります。
  • 再開の手間:海外に住む株主や役員の書類をそろえるのに、時間がかかります。

みなし解散された後に会社を継続する方法

解散したものとみなされた日から3年以内であれば、会社を継続できます。

  1. 株主総会の特別決議で、会社の継続を決める
  2. 解散によって取締役は地位を失っているため、新たに取締役などの役員を選任する
  3. 継続の登記と、役員の登記などを本店所在地の法務局に申請する

主な添付書類は、株主総会の議事録、株主の氏名や持株数を記載した株主リスト、役員の就任承諾書などです。海外に住む役員は、印鑑証明書の代わりに、本国の公証人などによる署名証明を使うことがあります。外国語の書類には訳文を付けます。

継続の登記は、決議の日から2週間以内に申請します。過去の登記を怠っていた場合は、継続の手続きとは別に、過料の通知が届くことがあります。

3年を過ぎると、会社を継続することはできません。この場合は、清算の手続きを進めて会社を消滅させることになります。

なお、みなし解散の登記は登記官が職権で行いますが、清算人の登記は会社が申請する必要があります。原則として、解散時の取締役が清算人になります。

継続せずに会社を畳む場合

日本での事業を再開する予定がなければ、清算人の登記、債権者への官報公告、清算結了の登記などを行い、会社を閉じます。公告には2か月以上の期間が必要です。手続きの詳細は日本法人の解散・清算の手続きと期間で解説しています。

日本法人を休眠させる前に決めておくこと

選択肢 内容 主な注意点
休業して会社を残す 税務署や自治体に休業の届出をして、登記は維持する 役員の任期ごとの登記と、毎年の申告が必要
解散・清算する 債務を整理し、会社を消滅させる 官報公告に2か月以上かかる
規模を縮小して続ける 役員と最低限の業務だけを残す 税務・会計の対応は続く

会社を残す場合は、役員の任期の満了日、申告の期限、本店所在地の管理者を一覧にしておきます。設立後に必要な届出は会社設立後の届出一覧と期限で確認できます。

日本法人の状態は、親会社の連結決算や本国での税務の説明にも関わります。休眠させるか、清算するかは、本国側の事情も含めて早めに決めることをおすすめします。

TIMOAにできること

休眠会社のみなし解散は、事業の実態ではなく登記の有無で判断されます。令和8年度の期限は2026年12月15日です。届出だけでなく、役員変更などの登記を済ませることが根本的な対策です。

TIMOAは、提携する司法書士、税理士とともに、登記の状況の確認、役員変更や会社の継続の登記、休業中の申告、清算の手続きを、中国語と日本語で支援します。海外の株主や役員の書類の準備にも対応します。詳しくはM&A・事業承継・撤退のページをご覧ください。

よくある質問

事業を続けていても、みなし解散の対象になりますか?

対象になります。判断の基準は最後の登記からの期間で、実際に営業しているかどうかではありません。役員変更などの登記を12年間していなければ対象です。

合同会社もみなし解散の対象ですか?

休眠会社のみなし解散は株式会社が対象で、合同会社は対象外です。ただし、登記事項に変更があれば登記する義務は合同会社にもあります。

「まだ事業を廃止していない」旨の届出をすれば十分ですか?

その年の解散は避けられますが、必要な登記をしない限り翌年も整理作業の対象になります。役員変更などの登記をあわせて行います。

みなし解散された会社を元に戻すことはできますか?

解散したものとみなされた日から3年以内であれば、株主総会の特別決議で会社を継続できます。継続の決議とあわせて役員を選任し、登記をします。

参考・出典

  1. 法務省 令和8年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)について www.moj.go.jp
  2. 法務省 休眠会社・休眠一般法人の整理作業に関する案内 www.moj.go.jp
  3. 金沢地方法務局 令和8年度休眠会社等の整理作業(みなし解散)について houmukyoku.moj.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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