日本進出・会社設立

外国人・外国企業が日本で会社を設立する流れ|準備から設立後の届出まで

外国人や外国企業が日本で株式会社を設立するまでの流れを、6つのステップで解説します。本国書類の準備、定款の認証、資本金の払込み、登記、外為法の報告、設立後の届出と期限まで、つまずきやすい点とあわせて確認できます。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

日本での会社設立は、外国人や外国企業でも日本人と同じ法律と手続きで行えます。株主や役員が全員外国人でも、代表取締役が全員海外に住んでいても、株式会社を設立できます。ただし、本国書類の取得と翻訳、資本金の払込口座、外為法の報告など、外国人特有の準備が必要です。ここでは、最も一般的な株式会社の発起設立を例に、準備から設立後の届出までの流れを6つのステップで解説します。

会社設立の全体の流れ

まず全体像を表で確認します。期間は、本国書類の準備や資本金の送金にかかる時間によって大きく変わります。

ステップ 主な内容 主な相手先
1. 基本事項を決める 商号、事業目的、本店所在地、資本金、役員、事業年度 社内・出資者
2. 本国書類をそろえる 署名証明書、宣誓供述書、翻訳 本国の公証人、在日大使館・領事館
3. 定款の作成と認証 定款を作成し、公証役場で認証を受ける 公証役場
4. 資本金の払込み 発起人の口座などに出資金を払い込む 銀行
5. 設立登記の申請 本店所在地を管轄する法務局に申請する 法務局
6. 外為法の報告と設立後の届出 日本銀行経由の報告、税務・社会保険の届出 日本銀行、税務署、自治体、年金事務所など

1. 基本事項を決める

商号、事業目的、本店所在地、資本金の額、役員、事業年度を決めます。特に次の点は、後から変えると変更登記の手間と費用がかかるため、最初に慎重に検討します。

  • 事業目的:許認可の申請、銀行口座の開設、ビザの審査で確認されます。将来行う予定の事業も含めて、具体的に記載します。
  • 本店所在地:登記上の本店になります。経営・管理ビザを申請する場合は、事業所としての実体も求められます。
  • 資本金の額:運転資金、ビザの基準、消費税などの税金の区分を踏まえて決めます。詳しくは資本金はいくらにするかで解説しています。
  • 会社の形態:株式会社のほか、定款の認証が不要な合同会社も選べます。

代表者が日本に住んでいない場合

2015年に法務省の取扱いが変わり、代表取締役の全員が海外に住んでいても、株式会社の設立登記を申請できるようになりました。ただし、日本に住む役員や担当者がいないと、法人口座の開設、事務所の契約、税務署とのやり取りなどが進みにくくなります。日本側の連絡窓口を誰にするかを、設立前に決めておきます。

2. 本国書類をそろえる

発起人や役員が日本に住民登録をしていない場合、日本の印鑑証明書を取得できません。その代わりに、本国の署名証明書(サイン証明)や、公証人の認証を受けた宣誓供述書を用意します。外国語の書類には、日本語の翻訳を付けます。

主な書類

  • パスポートなどの本人確認書類
  • 署名証明書(日本に住む人は印鑑証明書)
  • 住所を証明する書類(宣誓供述書など)
  • 外国法人が発起人となる場合は、その法人の存在や代表者を証明する書類(宣誓供述書など)

署名証明書は、本国の公証人や、日本にある本国の大使館・領事館で取得するのが一般的です。国によって発行できる書類や手続きが違い、アポスティーユや領事認証が必要になることもあります。詳しくは外国書類のアポスティーユと宣誓供述書をご覧ください。

3. 定款を作成し、認証を受ける

株式会社は、公証役場で定款の認証を受けます。認証の際には、会社の実質的支配者となるべき者を公証人に申告します。外国人が株主の場合も同じです。

  • 紙の定款には4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款にすると印紙はかかりません。
  • 公証人の認証手数料は、資本金の額などによって異なります。最新の金額は日本公証人連合会の案内で確認します。
  • 合同会社は、定款の認証が不要です。

4. 資本金を払い込む

発起設立では、定款の認証後に、発起人が出資金を払い込みます。払込みを受ける口座は、原則として日本国内の銀行にある発起人名義の口座です。発起人が日本の口座を持たない場合には、発起人から委任を受けた人の口座を使う方法などの取扱いがあるため、事前に司法書士と確認します。

海外から送金する場合は、着金までの日数や為替の変動も考慮します。送金の記録は、経営・管理ビザの審査で資金の出所を説明する資料にもなるため、保管しておきます。

5. 設立登記を申請する

本店所在地を管轄する法務局に、設立登記を申請します。法務局に申請した日が、会社の設立日になります。登記申請書の様式と記載例は、法務局のウェブサイトで公開されています。

会社の種類 設立登記の登録免許税 定款の認証
株式会社 資本金の0.7%(15万円に満たないときは15万円) 必要
合同会社 資本金の0.7%(6万円に満たないときは6万円) 不要

登記が完了すると、登記事項証明書と印鑑証明書を取得できます。これらは、法人口座の開設や各種届出で使います。

6. 外為法の手続きと設立後の届出

外為法の報告

外国投資家による出資は、外為法上の対内直接投資等に当たります。多くの場合は、出資の後45日以内に、日本銀行を経由して事後報告を提出します。ただし、安全保障などに関わる指定業種を営む場合は、出資の前に事前届出が必要になることがあります。非居住者の外国投資家は、居住者の代理人を通じて手続きを行います。詳しくは外為法の対内直接投資の届出と報告で解説しています。

設立後の主な届出

届出先 主な届出 期限の目安
税務署 法人設立届出書 設立の日から2か月以内
税務署 青色申告の承認申請書 設立から3か月を経過した日と、最初の事業年度終了の日のいずれか早い日の前日まで
税務署 給与支払事務所等の開設届出書 開設から1か月以内
都道府県・市町村 法人設立の届出 自治体ごとに定められた期限
年金事務所 健康保険・厚生年金保険の新規適用届 適用事業所となってから5日以内
労働基準監督署・ハローワーク 労働保険の保険関係成立届、雇用保険の適用事業所設置届 従業員を雇ってから10日以内

設立前に準備しておくことのチェックリスト

  1. 発起人・役員全員の氏名とその日本語での表記、生年月日、住所
  2. 本国で取得する署名証明書や宣誓供述書の種類と、取得にかかる期間
  3. 資本金の額と、送金元・払込口座
  4. 本店所在地となる事務所の賃貸借契約の内容(事業での使用が認められているか)
  5. 事業目的の文案と、必要な許認可の有無
  6. 事業年度(決算月)と、税務・会計を担当する専門家
  7. 外為法の事前届出が必要な業種に当たるかどうか

これらを先に整理しておくと、定款の作成から登記までを短い期間で進めやすくなります。特に本国書類は、取り直しになると数週間単位で遅れることがあるため、記載内容を日本側の専門家に確認してもらってから取得します。

外国人の会社設立でつまずきやすい点

  • 本国書類の取得と翻訳に、想定より時間がかかる
  • 資本金の払込口座が用意できず、払込みの方法を決め直す
  • 事業目的に、必要な許認可の業務が入っていない
  • 事務所の契約形態が、ビザや許認可の要件を満たさない
  • 設立後、法人口座の開設に時間がかかり、取引の開始が遅れる

会社設立、ビザ、口座、事務所は互いに関係しています。たとえば、経営・管理ビザでは事務所の実体と資本金の額が確認され、法人口座の開設では事業の実態が確認されます。最初に全体の計画を立てることで、手戻りを防げます。

まとめ

外国人や外国企業も、日本人と同じ手続きで日本に会社を設立できます。流れは、基本事項の決定、本国書類の準備、定款の認証、資本金の払込み、設立登記、外為法の報告と設立後の届出の6つです。登録免許税や認証手数料、各届出の期限は、申請前に法務局や公証役場、税務署などの最新の案内で確認します。

TIMOAは、提携する司法書士・行政書士・税理士と連携し、本国書類の準備から定款の作成、資本金の送金、設立登記、外為法の報告、設立後の届出までを一括で支援します。詳しくは日本進出・会社設立のページをご覧ください。

よくある質問

代表者が日本に住んでいなくても設立できますか?

できます。2015年の法務省の取扱いの変更により、代表取締役全員が海外に住んでいても、株式会社を設立できます。ただし、法人口座の開設や経営・管理ビザの取得では、日本での体制が確認されます。

印鑑証明書がない国の場合は、どうしますか?

署名証明書(サイン証明)で代用します。本国の公証人や、日本にある本国の大使館・領事館で取得するのが一般的です。

日本の銀行口座がなくても資本金を払い込めますか?

払込みは原則として日本国内の銀行にある発起人名義の口座で行います。発起人が日本の口座を持たない場合は、発起人から委任を受けた人の口座を使う方法などの取扱いがあるため、事前に司法書士と確認します。

外国企業が出資する場合、外為法の手続きは必要ですか?

外国投資家による出資は対内直接投資等に当たり、多くの場合は出資後45日以内に日本銀行経由で事後報告を提出します。指定業種を営む場合は、出資前の事前届出が必要になることがあります。

参考・出典

  1. 法務省 株式会社の設立手続(発起設立)について www.moj.go.jp
  2. 法務局 商業・法人登記の申請書様式 houmukyoku.moj.go.jp
  3. 日本銀行 外為法Q&A(対内直接投資・特定取得編) www.boj.or.jp
  4. 日本公証人連合会 www.koshonin.gr.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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