日本進出・会社設立

日本進出チェックリスト|設立前の準備から営業開始までの手順

日本進出は、進出形態と経営者の在留資格を決め、会社を設立し、設立後の届出と口座開設を済ませ、許認可と人の受け入れを整えてから営業を始める順で進めます。段階ごとに確認すべき項目と期限を、チェックリスト形式でまとめました。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

日本進出は、進出形態と経営者の在留資格を決める→会社を設立する→設立後の届出と口座開設を済ませる→許認可と人の受け入れを整えるの順で進めます。順番を誤ると、ビザの要件を満たさない事務所を契約するなど、手戻りが生じます。この記事では、各段階で確認すべき項目をチェックリストにまとめます。

日本進出の全体の流れ

日本進出の手続は、大きく4つの段階に分かれます。関係する窓口が多いため、全体像を先に把握することが大切です。

段階 主な作業 主な関係先
1 設立前の判断 進出形態、事業内容、経営者、資本金、許認可、外為法の確認 本社、専門家、所管官庁
2 会社設立 本国書類、定款、資本金の払込み、設立登記 公証役場、法務局
3 設立後の届出 税務・社会保険・労働保険の届出、外為法の報告、法人口座 税務署、自治体、年金事務所、労働基準監督署、ハローワーク、日本銀行、銀行
4 受け入れと営業開始 在留資格の申請、採用、許認可の取得、取引開始の準備 出入国在留管理庁、所管官庁

段階1:設立前に決めること

設立前の判断が、その後のすべての手続を左右します。次の項目を、会社の登記より前に決めます。

進出形態を選ぶ

日本での拠点には、駐在員事務所、日本支店、日本法人(子会社)があります。駐在員事務所は市場調査などの準備的な活動に限られ、営業活動はできません。支店と子会社では、登記、税務、本社の責任の範囲が異なります。違いは日本支店と日本法人(子会社)の違いで比較しています。

会社の基本事項を決める

  • 商号(会社名)と、株式会社か合同会社か
  • 事業目的(許認可が必要な事業を含めて具体的に書く)
  • 本店所在地と事務所の契約形態
  • 資本金の額と、払込みの方法
  • 役員の構成と、日本に住む役員の有無
  • 決算期

日本で経営する人の在留資格を確認する

外国人が日本に住んで会社を経営する場合は、原則として在留資格「経営・管理」が必要です。2025年10月16日から許可基準が改正され、資本金等3,000万円以上、常勤職員1名以上の雇用、申請者または常勤職員の一定の日本語能力、経営・管理の経験または関連する学位、専門家が確認した事業計画書が求められています。すでに在留している人には経過措置がありますが、要件の細部は出入国在留管理庁の最新の案内で確認します。資本金の額や事務所の選び方は、この基準を前提に決めます。

事務所を確保する

本店所在地は登記に必要ですが、ビザや許認可の審査では、実際に事業に使える事務所かどうかが見られます。経営・管理ビザでは、住居との兼用は原則として認められず、事業のための独立した区画が求められます。許認可によっては、面積や設備、専用の事務スペースが要件になります。

  • 契約書の使用目的が「事務所」など事業用になっているか
  • 契約名義を、設立前は誰にし、設立後に会社へどう切り替えるか
  • 許認可の設備要件を満たす間取りか

許認可と外為法を確認する

酒類の販売、中古品の売買、飲食店、人材紹介、不動産取引などは、許可や登録を受けないと営業できません。要件に「事務所の設備」や「専任の担当者」が含まれることも多く、物件の契約前に確認が必要です。

外国投資家による出資は、子会社の設立を含めて外為法の対内直接投資等に当たります。指定業種への出資は事前届出が必要で、原則として受理から30日間は実行できません。それ以外の業種でも、45日以内の事後報告が必要になる場合があります。制度は外為法の対内直接投資とはで解説しています。

段階2:会社設立の手続き

基本事項が決まったら、設立の手続に入ります。株式会社の場合の主な流れは次のとおりです。

  1. 本国書類をそろえる:パスポートの写し、署名証明書または宣誓供述書、外国法人が出資する場合は登記事項を証明する書類と、その日本語訳
  2. 定款を作成し、公証役場で認証を受ける
  3. 資本金を払い込む(払込みに使う口座を事前に決めておく)
  4. 会社の印鑑(代表印・銀行印)を用意する
  5. 本店所在地を管轄する法務局に、設立登記を申請する

設立登記の際は、登録免許税を納めます。株式会社は資本金の額の0.7%(最低15万円)、合同会社は資本金の額の0.7%(最低6万円)です。株式会社の定款を電子定款で作成すれば、紙の定款に必要な4万円の収入印紙はかかりません。

代表取締役の全員が海外に住んでいても、株式会社は設立できます。ただし、銀行口座の開設やビザの審査では、日本での体制が確認されます。本国書類の取得と翻訳には時間がかかるため、最初に着手します。

段階3:設立後すぐに行う届出と口座開設

登記が終わったら、期限の短い届出から順に進めます。主な届出は次のとおりです。

提出先 届出 期限
年金事務所 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 適用事業所となった日から5日以内
労働基準監督署 労働保険 保険関係成立届 成立した日の翌日から10日以内
ハローワーク 雇用保険適用事業所設置届 設置の日の翌日から10日以内
税務署 給与支払事務所等の開設届出書 開設の日から1か月以内
税務署 法人設立届出書 設立の日(設立登記の日)以後2か月以内
税務署 青色申告の承認申請書 設立から3か月を経過した日と第1期末のいずれか早い日の前日
都道府県・市町村 法人設立届出書(地方税) 自治体ごとに定める期限

労働保険と雇用保険は、従業員を雇う場合の手続です。役員報酬を支払う会社は、役員だけでも社会保険の手続が必要です。届出の詳細は会社設立後の届出一覧と期限をご覧ください。

あわせて、外為法の事後報告が必要な場合は、日本銀行を経由して期限内に提出します。法人口座の開設は審査に時間がかかることがあるため、登記事項証明書を取得したら早めに申し込みます。

段階4:人の受け入れと営業開始

経営者と社員の在留資格

海外から経営者や社員を呼ぶ場合は、在留資格認定証明書の交付を申請します。日本に別の在留資格で住んでいる人は、在留資格の変更を申請します。許可を受けるまで、新しい活動は始められません。

採用と労務の準備

  • 雇用契約書(労働条件通知書)を作成する
  • 外国人を雇う場合は、在留カードで就労の可否を確認し、ハローワークへ外国人雇用状況の届出をする
  • 常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成し、労働基準監督署へ届け出る

最初の決算と申告を見据える

法人税の申告と納付の期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。資本金1,000万円未満の会社は、原則として設立当初は消費税の免税事業者になります。第1期の決算期と、消費税・インボイスの扱いは、設立前の段階で税理士と確認しておくと安全です。

許認可と取引開始の準備

  • 必要な許可・登録を受けてから営業を始める
  • 取引先がインボイスを求める場合は、消費税の登録を検討する
  • 契約書のひな形、請求書の様式、経理の体制を整える

見落としやすいポイント

  • 事務所の契約が先行する:ビザや許認可の要件を満たさない物件を契約してしまうことがあります。契約前に、用途と独立性を確認します。
  • 事業目的の漏れ:許認可が必要な事業が定款の目的にないと、申請の前に目的変更の登記が必要になります。
  • 外為法の確認漏れ:事前届出が必要な業種で、届出前に出資を実行してしまうことがあります。
  • 青色申告の期限:設立直後の忙しい時期に期限が来ます。法人設立届出書と同時に出すと確実です。
  • 本国側の手続:中国本土の企業が出資する場合など、本国側でも対外投資の届出や外貨の手続が必要になることがあります。日本側の日程と並行して確認します。
  • 資本金の出所の記録:送金記録は、ビザの審査や口座開設で求められることがあります。最初から保管します。

TIMOAにできること

日本進出では、会社、在留資格、事務所、口座、許認可、税務が互いに関係します。最初に全体の順番を決めることで、手戻りと時間のロスを防げます。

TIMOAは、提携する司法書士・行政書士・税理士・社会保険労務士とともに、進出形態の検討から会社設立、設立後の届出、ビザの申請、口座開設の準備までを一貫して支援します。詳しくは日本進出・会社設立のページをご覧ください。

よくある質問

日本進出は何から始めればよいですか?

進出形態(駐在員事務所・支店・日本法人)と、日本で経営する人の在留資格を先に決めます。この2つで、資本金、事務所、手続の順番が変わります。

会社を設立すれば、すぐに営業できますか?

許認可が必要な事業は、許可や登録を受けるまで営業できません。税務・社会保険の届出や、外国人を雇う場合の在留資格の手続も、営業開始の前に済ませます。

外為法の手続は、設立後でも間に合いますか?

業種によります。指定業種への出資は事前届出が必要で、原則30日間は出資を実行できません。それ以外の業種でも、45日以内の事後報告が必要になる場合があります。

代表者が海外に住んだままでも会社を設立できますか?

設立できます。ただし、銀行口座の開設や経営・管理ビザの審査では、日本での事業体制が確認されます。

参考・出典

  1. 財務省 対内直接投資について www.mof.go.jp
  2. 国税庁 内国普通法人等の設立の届出 www.nta.go.jp
  3. ジェトロ 対日投資(日本でのビジネス展開支援) www.jetro.go.jp
  4. 法務省 外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について www.moj.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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