日本進出・会社設立

アポスティーユと宣誓供述書とは|日本の会社設立に使う外国書類の認証

外国人や外国企業が日本で会社を設立するとき、印鑑証明書や登記事項証明書の代わりに、署名証明書や宣誓供述書を使います。アポスティーユと領事認証の違い、中国・香港の書類の扱い、翻訳の注意点をまとめました。

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TIMOA編集部
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2026年10月1日時点の制度に基づいています。

アポスティーユは、ハーグ条約(認証不要条約)の締約国どうしで、公文書の公印や署名が本物であることを証明する付箋です。宣誓供述書は、作成者が公証人などの前で内容が真実だと宣誓した書面です。外国人や外国企業が日本で会社を設立するときは、日本の印鑑証明書や登記事項証明書の代わりに、これらの書類を使う場面があります。

会社設立で外国書類が必要になる場面

日本の会社設立手続きは、印鑑証明書、住民票、登記事項証明書があることを前提にしています。発起人や役員が海外に住む外国人の場合や、外国法人が出資する場合は、これらに代わる本国の書類を用意します。

場面 日本人・日本法人の場合 外国人・外国法人の場合
本人確認と押印 印鑑証明書 署名証明書(サイン証明書)
住所の証明 住民票 本国の住所証明書、または宣誓供述書
外国法人が発起人になる 登記事項証明書 本国の登記証明書、または宣誓供述書
外国会社が日本に支店を置く ― 本国の会社の商号・本店・代表者などを示す宣誓供述書

提出先ごとに見られる書類

提出先 手続き 主に求められる外国書類
公証役場 株式会社の定款認証 発起人の署名証明書、外国法人が発起人の場合は登記証明書や宣誓供述書
法務局 設立登記、外国会社の登記 役員の署名証明書、宣誓供述書と、それぞれの訳文
銀行 資本金の払込み、法人口座の開設 代表者の本人確認書類、出資者の登記証明書など(銀行ごとに異なる)
出入国在留管理庁 経営・管理ビザなどの申請 学歴・職歴の証明書、資本金の出所を示す資料と、その訳文

同じ書類でも、提出先によって原本を求めるか、写しでよいか、認証の形式をどう見るかが異なります。最初に全ての提出先を洗い出し、どの書類を何通、どの認証で用意するかを一覧にしておくと、取り直しを防げます。

手続きの全体像は外国人・外国企業が日本で会社を設立する流れで解説しています。この記事では、外国書類の種類と、認証の考え方に絞って説明します。

署名証明書(サイン証明書)の取り方

日本で印鑑登録をしていない外国人は、記名押印の代わりに署名をします。その場合、署名が本人のものであることを本国官憲が証明した書面を添付します。これが署名証明書、いわゆるサイン証明書です。設立時の取締役の就任承諾書などが対象になります。

どこで取得できるか

  • 本国の官公署や公証人
  • 日本にある本国の大使館・領事館
  • 居住国にある本国の大使館・領事館(第三国に住んでいる場合)

居住国にある本国官憲が作成した証明書も使えることは、法務省の通達で明確にされています。本国に一時帰国しなくても、住んでいる国で取得できる場合があります。

本国で証明が取れない場合

本国に署名証明の制度がない場合などは、申請者の上申書と、日本の公証人などが作成した証明書で代えられる場合があります。扱いは個別の事情で変わるため、管轄の法務局に事前に相談します。

宣誓供述書とは:使われる場面と作り方

宣誓供述書(Affidavit)は、作成者が記載内容の真実性を宣誓し、公証人や領事などの認証を受けた書面です。本国に住民登録や商業登記の制度がない場合や、必要な事項が公的な証明書に載っていない場合に、その代わりとして使われます。

主な使い方

  • 個人の氏名、住所、生年月日などを証明する
  • 外国法人の商号、本店、代表者、設立の準拠法などを証明する
  • 外国会社が日本に営業所を置き、日本における代表者を定める登記をする

作成の流れ

  1. 記載事項を、日本の登記や定款に合わせて整理する(商号の表記、代表者、事業目的など)
  2. 本国の公証人、または日本にある本国の領事の前で署名し、認証を受ける
  3. 日本語の訳文を作成する

外国会社の登記では、添付書面について、本国の管轄官庁や日本にある本国の領事など、権限のある者の認証が求められます。どの機関の認証で足りるかは書類によって異なるため、作成前に提出先に確認します。

アポスティーユと公印確認・領事認証の違い

アポスティーユも領事認証も、公文書の公印や署名が本物であることを証明する手続きです。文書の内容が正しいことまでを証明するものではありません。

項目 アポスティーユ 領事認証
根拠 外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約) 各国の大使館・領事館の手続き
対象 条約の締約国・地域で使う公文書 締約国以外で使う文書(締約国でも求められることがある)
手続き 文書を発行した国の権限ある機関で付箋を受ける 発行国での証明の後、使用する国の大使館・領事館で認証を受ける
日本の書類の場合 外務省でアポスティーユを受ける 外務省で公印確認を受け、駐日大使館・領事館で領事認証を受ける

中国・香港の書類

中国はハーグ条約に加入し、日本との間では2023年11月7日に効力が生じました。これにより、中国の公文書を日本で使う場合も、日本の公文書を中国で使う場合も、原則として領事認証に代えてアポスティーユを使えます。香港とマカオも、外務省の締約国・地域の一覧に含まれています。締約国でない国・地域の書類は、提出先が求める認証の方法を個別に確認します。

アポスティーユがあれば必ず受理されるわけではない

アポスティーユは、認証の手続きを簡単にする制度です。受け付けるかどうか、翻訳や原本の形式をどうするかは、提出先が判断します。法務局、公証役場、銀行、出入国在留管理庁など、提出先ごとに事前に確認します。

日本の書類を本国で使う場合の手続き

反対に、日本法人の登記事項証明書などを本国の親会社や当局に提出する場合は、外務省の証明を受けます。

  • 対象は、日本の官公署や自治体が発行し、公印が押された公文書です。個人印や署名だけの書類は対象外です。
  • 発行日から3か月以内の書類が対象です。
  • 提出先がハーグ条約の締約国ならアポスティーユ、それ以外は公印確認の後に駐日大使館・領事館の領事認証を受けます。締約国でも領事認証を求められる場合があります。
  • 申請先は外務省(東京)または大阪分室で、窓口か郵送で申請できます。
  • 提出先の国によっては、翻訳文の添付や現地での追加の手続を求められることがあるため、申請の前に提出先に確認します。

定款や議事録、委任状のような私文書は、そのままでは外務省の証明の対象になりません。公証人の認証を受けるなど、提出先が求める形に整えてから手続きを進めます。

翻訳と取得のタイミングの注意点

商業登記の申請に外国語の書面を添付する場合は、原則として、その全てに日本語の訳文を付けます。

  • 外国の官公署が発行した証明書では、登記と関係のない欄(本国官憲の使用欄など)の翻訳を省略できます。その場合は、省略した旨を訳文に書きます。
  • 証明書の発行主体(領事、公証人など)に関する記載は、省略できません。
  • 同じ内容が2つの外国語で書かれている場合は、一方の訳文で足ります。

出入国在留管理庁は、日本で発行される証明書について、発行日から3か月以内のものの提出を求めています。本国書類も提出先ごとに期限の考え方があるため、ビザ申請や口座開設の時期から逆算して取得します。

準備を早めたほうがよい理由

  • 本国の公証役場や領事館は、予約が必要なことが多い
  • 商号のローマ字表記や住所の書き方が書類ごとに違うと、作り直しになる
  • 1つの書類を複数の提出先で使う場合は、原本を多めに用意しておくと手戻りを防げる

株式会社と合同会社のどちらを選ぶかで、定款認証の要否など必要な書類も変わります。比較は株式会社と合同会社の違いをご覧ください。設立後に経営者としてビザを申請する場合は、経営・管理ビザの申請書類と審査期間もあわせて確認すると、書類をまとめて準備できます。

まとめ

外国人・外国企業の会社設立では、印鑑証明書の代わりに署名証明書を、住民票や登記事項証明書の代わりに宣誓供述書を使うことがあります。アポスティーユや領事認証は、それらの書類が本物であることを示すための手続きです。必要な書類と認証の形式は、提出先と書類の種類で決まります。

TIMOAは、提携する司法書士・行政書士とともに、本国書類の洗い出し、宣誓供述書の文案づくり、翻訳、法務局や公証役場との事前確認まで、日本進出・会社設立の手続きをまとめて支援しています。

よくある質問

アポスティーユがあれば、領事認証は不要ですか?

ハーグ条約の締約国が発行した公文書であれば、原則としてアポスティーユで領事認証に代えられます。ただし、受理するかどうかは提出先が判断するため、事前に確認します。

本国の官憲が署名証明書を発行していない場合はどうしますか?

上申書と、日本の公証人などが作成した証明書で代えられる場合があります。扱いは個別の事情で変わるため、管轄の法務局に事前に相談します。

宣誓供述書は日本にいながら作成できますか?

日本にある本国の大使館・領事館で、領事の認証を受けて作成する方法があります。どの機関の認証で足りるかは書類によって異なるため、提出先に確認します。

外国語の書類は全て翻訳が必要ですか?

商業登記では、原則として全ての外国語書面に日本語の訳文を付けます。外国官公庁の証明書のうち登記と関係のない欄は省略できますが、発行主体の記載は省略できません。

参考・出典

  1. 外務省 公印確認・アポスティーユとは www.mofa.go.jp
  2. 外務省 申請手続きガイド 1 証明できる書類 www.mofa.go.jp
  3. 外務省 「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」の締約国(地域) www.mofa.go.jp
  4. 法務省 外国人・海外居住者の方の商業・法人登記の手続について www.moj.go.jp
  5. 法務省 商業登記の申請書に添付される外国語で作成された書面の翻訳について www.moj.go.jp

執筆

TIMOA編集部

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の法律・税務上の助言ではありません。制度は改正されることがあるため、具体的なお手続きの前にご相談ください。

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