2026年10月1日時点の制度に基づいています。
中古品を買い取って販売する事業には、古物営業法にもとづく古物商許可が必要です。申請は、主たる営業所を管轄する警察署を通じて都道府県公安委員会に行います。外国人や外国資本の会社も申請できますが、在留資格、営業所、管理者の準備が許可の分かれ目になります。
古物商許可が必要になるケース
「古物」とは、一度使用された物品、使用のために取引された物品、それらに手入れをした物品をいいます。新品でも、一度消費者の手に渡った物は古物に当たります。古物の売買、交換、委託を受けての販売を業として行う場合に、許可が必要です。
| 事業の内容 | 許可の要否 |
|---|---|
| 中古品を買い取って販売する(店舗・ネット) | 必要 |
| 他人から委託を受けて中古品を販売し、手数料を得る | 必要 |
| 中古品を別の物品と交換する | 必要 |
| 自分で使っていた物を売る | 原則不要 |
| 無償でもらった物を売る | 原則不要 |
| 海外で仕入れた中古品を輸入して販売する | 取引の形により判断が分かれるため、警察署に確認 |
許可申請では、取り扱う古物の区分を選びます。区分は13あり、美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車及び原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類です。主に扱う区分を1つ決め、ほかに扱う区分も申請書に記載します。
古物商許可の要件
審査で見られるのは、主に「人」「営業所」「管理者」の3点です。
欠格事由に当たらないこと
申請者本人(法人の場合は役員全員)と管理者が、古物営業法第4条の欠格事由に当たらないことが必要です。主な欠格事由は次のとおりです。
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑、または窃盗罪などで罰金刑を受け、執行を終えてから5年を経過しない者
- 暴力団員、または暴力団員でなくなってから5年を経過しない者
- 住居の定まらない者
- 古物営業の許可を取り消されてから5年を経過しない者
- 心身の故障により業務を適正に行えない者として規則で定める者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
- 営業所ごとに管理者を選任すると認められない相当な理由がある者
法人の場合、役員のうち1人でも欠格事由に当たると、法人として許可を受けられません。
営業所があること
インターネットだけで営業する場合も、営業所の届出が必要です。営業所は、古物営業を継続して行える実体のある場所であることが求められます。独立性や継続性が確認できない場所は、認められない場合があります。賃貸物件では、契約上その用途で使えるかを確認しておきます。
営業所ごとに管理者を置くこと
営業所ごとに、業務を管理する責任者を1人選任します。代表者本人が兼ねることもできます。管理者も欠格事由に当たらないことが必要です。営業所の業務を実際に管理できない人(遠方に住んでいる、他の営業所と兼任するなど)は、認められない場合があります。
外国人・外国資本の会社が申請するときのポイント
古物営業法の欠格事由に、国籍に関する定めはありません。外国人個人も、外国資本の日本法人も申請できます。ただし、次の点で日本人とは準備が異なります。
- 在留資格:外国人が個人で営業する場合、事業経営ができる在留資格が必要です。「経営・管理」のほか、永住者、日本人の配偶者等、定住者などは就労の制限がありません。
- 住民票の写し:日本人は本籍の記載が必要ですが、外国人は国籍等が記載されたものを用意します。在留資格の記載を求める府県もあります。
- 身分証明書:本籍地の市区町村が発行する書類のため、外国籍の方は取得できません。代わりの扱いを申請先の警察署に確認します。
- 海外在住の役員:日本に住所のない役員は住民票を取得できません。必要な書類を事前に警察署と相談します。
- 外国語の書類:日本語訳を添付するのが原則です。
法人で申請する場合は、定款の目的に古物の売買に当たる事業が入っているかも確認されます。会社設立の段階で目的に入れておくと、手続きが円滑です。設立の流れは外国人・外国企業が日本で会社を設立する流れで解説しています。外国人経営者の在留資格については経営・管理ビザの申請書類・審査期間・更新もあわせてご確認ください。
申請前に決めておくこと
個人で取るか、法人で取るか
古物商許可は、許可を受けた個人または法人に与えられます。個人で取った許可を、後から設立した法人に引き継ぐことはできません。法人で営業する予定なら、法人を設立してから法人として申請します。
取り扱う区分と営業の形
主に扱う区分のほか、将来扱う予定の区分も申請時に記載できます。店舗で買い取るのか、出張買取をするのか、ネットで買い取るのかによって、本人確認の方法や帳簿の付け方が変わります。営業の形を先に決めておくと、審査の質問にも答えやすくなります。
管理者を誰にするか
代表者が日本に常駐しない外国資本の会社では、日本にいる従業員などを管理者に選ぶのが一般的です。管理者は取引の現場を管理する立場のため、営業所に通える人を選びます。
申請の流れと必要書類
- 取り扱う古物の区分、営業所、管理者を決めます。
- 申請書と添付書類をそろえます。
- 主たる営業所を管轄する警察署(防犯係など)に申請し、手数料を納めます。警視庁の場合、手数料は19,000円です。
- 警察で審査が行われます。標準処理期間は都道府県ごとに定められているため、申請先の都道府県警察の案内で確認します。
- 許可されると、許可証が交付されます。
- 営業所に標識を掲げ、営業を始めます。
主な添付書類は次のとおりです(警視庁の案内による)。都道府県によって細部が異なるため、申請先の案内を確認します。
| 書類 | 個人申請 | 法人申請 |
|---|---|---|
| 略歴書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 住民票の写し | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 誓約書(欠格事由に当たらない旨) | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 身分証明書 | 本人・管理者 | 役員全員・管理者 |
| 定款・登記事項証明書 | 不要 | 必要 |
| URLの使用権限を疎明する資料 | ホームページで取引する場合 | ホームページで取引する場合 |
2020年4月以降、古物商許可は主たる営業所を管轄する公安委員会から1つ受ければよくなりました。他の都道府県に営業所を増やす場合は、許可を取り直すのではなく届出で対応します。
許可を取った後の義務と2025年10月の改正
許可を取った後は、次の義務を守る必要があります。
- 取引相手の確認:古物を買い受けるときなどは、相手の住所、氏名、職業、年齢を確認します。
- 帳簿等への記録:取引の内容を記録し、最後に記載した日から3年間保存します。
- 標識の掲示:営業所ごとに、見やすい場所に標識を掲げます。
- 不正品の申告:盗品の疑いがある場合は、直ちに警察官に申告します。
- 変更の届出:役員、管理者、営業所などを変更したときは届出が必要です。内容により、事前の届出が必要なものと、変更後14日以内(登記事項証明書を添付する場合は20日以内)に届け出るものがあります。
取引相手の確認は、対価の総額が1万円未満なら原則不要です。ただし、盗難が多い品目は金額にかかわらず確認が必要です。これまでの対象は、自動二輪車・原動機付自転車(部品を含む)、家庭用ゲームソフト、CD・DVDなどの記録媒体、書籍でした。
2025年10月1日施行の施行規則改正で、金属類の盗難の急増を受けて4品目が追加されました。エアコンの室外ユニット、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製のグレーチングです。これらを扱う事業者は、少額の買取でも本人確認と記録が必要です。警視庁の案内では、LANケーブルや家庭用の延長コード、充電ケーブルなどは対象外とされています。対象かどうか迷う品目は、営業所を管轄する警察署に確認します。
また、許可を受けてから6か月以内に営業を始めない場合などは、許可を取り消されることがあります。
TIMOAにできること
古物商許可は、営業所と管理者の準備、役員全員の書類、在留資格の確認がそろえば、手続き自体は複雑ではありません。外国人・外国資本の場合は、住民票や身分証明書の代わりの扱いを事前に詰めることが大切です。
TIMOAは、提携する行政書士とともに、要件の確認、書類の準備、警察署との事前相談をサポートします。会社設立や在留資格、酒類など他の許認可(酒類販売業免許の種類と要件)とあわせたご相談も可能です。詳しくは許認可・金融ライセンスのサービスをご覧ください。
よくある質問
外国人や外国資本の会社でも古物商許可は取れますか?
取れます。古物営業法の欠格事由に国籍の定めはありません。ただし個人の場合は事業を行える在留資格が必要で、役員や管理者の書類の用意の仕方を事前に警察署へ確認します。
ネットショップだけで中古品を売る場合も営業所は必要ですか?
必要です。インターネットだけで営業する場合も、許可申請には営業所の届出が必要です。ホームページで取引する場合は、そのURLも申請書に記載します。
許可が出るまでどのくらいかかりますか?
標準処理期間は都道府県ごとに定められているため、申請先の都道府県警察の案内で確認します。書類の補正があると、その分長くなります。開業日から逆算し、余裕を持って申請します。
自分の不用品をフリマアプリで売るだけでも許可は必要ですか?
自分で使っていた物を売るだけなら、原則として許可は不要です。転売目的で買い取った物を繰り返し売る場合は、古物営業に当たる可能性があります。
参考・出典
- 警視庁 古物商許可申請 www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp
- 警視庁 古物営業法施行規則の一部改正について(令和7年10月1日施行) www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp
- 長野県警察 古物営業法施行規則が改正されます(令和7年10月1日施行) www.pref.nagano.lg.jp
- 京都府警察 古物営業法に係る審査基準・標準処理期間 www.pref.kyoto.jp