2026年10月1日時点の制度に基づいています。
永住許可を受けるには、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で5年以上在留していることが必要です。そのうえで、素行善良・独立生計・国益適合の3つの要件を満たす必要があります。2026年10月1日にガイドラインが改定され、申請日によって適用される基準が変わりました。
永住許可の3つの要件
永住許可は、出入国管理及び難民認定法(入管法)第22条に基づく許可です。審査の考え方は、出入国在留管理庁の「永住許可に関するガイドライン」に示されています。
| 要件 | 考え方 | 主に確認されること |
|---|---|---|
| 素行善良 | 法律を守り、日常生活で社会的に非難されることのない生活を送っていること | 罰金刑・拘禁刑の有無、交通違反などの状況 |
| 独立生計 | 公共の負担にならず、資産や技能から将来も安定した生活が見込めること | 世帯の収入、資産、職業、将来の見込み |
| 国益適合 | 永住を認めることが日本の利益に合うこと | 在留期間、納税・社会保険料・届出などの公的義務、公衆衛生上の観点 |
3つの要件は、どれか一つを満たせばよいものではありません。在留期間が十分でも、納税や保険料の納付に問題があれば許可は難しくなります。独立生計の収入は、申請者個人ではなく世帯の収入で評価します。会社を経営している方は、役員報酬として受け取る個人の収入が判断の基礎になり、会社の利益がそのまま本人の収入とみなされるわけではありません。
日本人・永住者の配偶者や子の場合
日本人、永住者、特別永住者の配偶者や子は、素行善良と独立生計の要件が不要です。ただし、国益適合の要件は満たす必要があります。
在留期間の要件:原則10年と特例
原則は、引き続き10年以上の在留です。このうち就労資格または居住資格で、引き続き5年以上在留していることが求められます。技能実習と特定技能1号は、この就労資格に含まれません。
どの在留資格がこの就労資格に当たるかは、ガイドラインの記載で確認します。在留資格を変更してきた方は、在留カードや過去の許可の記録をもとに、資格ごとの在留期間を一覧にしておくと判断しやすくなります。
原則10年の特例
次のような方には、在留期間を短縮する特例があります。
- 日本人、永住者、特別永住者の配偶者とその実子など
- 「定住者」の在留資格で一定期間在留している方
- 難民の認定を受けた方
- 高度専門職のポイント計算で一定以上の点数がある方
- 外交、社会、経済、文化などの分野で日本への貢献が認められる方
高度人材の特例は、ポイントの点数によって必要な期間が変わります。計算方法は高度専門職ビザとポイント計算で解説しています。
配偶者の特例は2027年4月から厳しくなる
| 申請日 | 婚姻生活の継続 | 日本での在留 |
|---|---|---|
| 2027年3月31日まで | 実体を伴った婚姻生活が3年以上 | 引き続き1年以上 |
| 2027年4月1日以降 | 実体を伴った婚姻生活が5年以上 | 引き続き3年以上 |
なお、長期間や頻繁な出国があると、「引き続き」在留していると評価されない場合があります。海外出張が多い経営者や、家族の事情で長く帰国する方は、出国の記録と理由を整理しておくことをおすすめします。
2026年のガイドライン改定で変わったこと
ガイドラインは、2026年2月24日の改訂に続き、2026年10月1日に改定されました。適用されるガイドラインは申請日で決まります。
| 申請日 | 適用されるガイドライン |
|---|---|
| 2026年4月1日〜2027年3月31日 | 2026年2月24日改訂版。ただし収入に関する部分は2026年10月1日改定版 |
| 2027年4月1日以降 | 2026年10月1日改定版を全面適用 |
改定の主な内容
- 収入:世帯の収入が、日本人世帯の平均的な収入を上回る水準にあるかが考慮されると報じられています。具体的な基準は、ガイドライン本文で確認します。
- 年金:将来受け取る年金の見込額も考慮要素になりました。
- 日本語能力:一定の日本語能力(B1相当)が考慮要素に加わったと報じられています。対象となる人や例外の範囲は、ガイドライン本文で確認します。
- 配偶者の特例:婚姻と在留の期間が延びました(前の表のとおり)。
収入に関する部分は、2026年4月1日以降に申請し、10月1日の時点で審査中の案件にも適用されます。すでに申請中の方も、収入の状況を改めて確認しておくことが大切です。
最長の在留期間と手数料
ガイドラインでは、現在の在留資格で最長の在留期間を持っていることが求められます。これまでは、当面は3年を最長として扱う運用が示されてきました。改定版での扱いや経過措置は、申請の前に出入国在留管理庁の案内で確認が必要です。
永住許可の手数料は、許可を受ける際に納めます。報道によると、手数料は2026年10月1日から20万円に引き上げられました。申請の時期による扱いを含め、最新の額は出入国在留管理庁の案内で確認します。
審査で見られる公的義務と準備のポイント
公的義務の履行は、国益適合の中心となる確認事項です。未納がないことに加え、期限どおりに納めてきたかも見られます。納付の遅れがあると、不利に評価されることがあります。
- 住民税・所得税などの税金
- 公的年金と公的医療保険の保険料
- 住居地や所属機関などの、入管法に定める届出
会社を経営している方は、本人の納付状況だけでなく、会社の社会保険の加入や納税の状況も重要です。役員報酬の設定が世帯の収入の評価に直結するため、早い段階から計画しておくことをおすすめします。経営者の在留手続は経営・管理ビザの申請と更新もご覧ください。
申請では、身分関係の書類、収入と納税の証明、年金と医療保険の納付記録、職業を示す書類、身元保証に関する書類などを提出します。必要書類は申請人の状況で変わるため、出入国在留管理庁の案内で最新の一覧を確認します。
審査期間中の注意点
出入国在留管理庁は、永住許可申請の標準処理期間を4か月から6か月としています。申請の内容や時期によっては、さらに時間がかかることもあります。永住許可を申請しても、今の在留期間は延長されません。審査中に在留期限が来る場合は、通常どおり更新の申請が必要です。
- 申請前の数年分について、税金と保険料の未納や遅れがないか確認する
- 転職や転居をした場合は、入管法の届出を済ませているか確認する
- 審査中の長期出国や、収入が大きく変わる転職は慎重に判断する
- 追加資料の提出を求められたら、期限内に対応する
永住許可後の注意点:2027年4月からの取消し制度
2024年の入管法改正で、永住者の在留資格を取り消せる事由として、第22条の4第1項第8号と第9号が加わりました。施行日は2027年4月1日です。取消しに関するガイドラインについては、2026年8月から9月に案への意見募集が行われており、出入国在留管理庁のウェブサイトで最新の内容を確認できます。
- 入管法上の義務に違反した場合や、故意に公租公課を支払わない場合
- 特定の刑罰法令に違反し、拘禁刑に処せられた場合
「故意に」とは、支払義務を知りながら、あえて支払わない場合を指します。病気や失業などやむを得ない事情で支払えない場合は、取消しの対象としない考え方が示されています。また、取消事由に当たっても、原則として法務大臣が職権で永住者以外の在留資格への変更を許可する仕組みです。
永住許可を受けた後も、納税と社会保険料の納付、届出を確実に続けることが大切です。配偶者や子の在留資格は、家族滞在ビザの要件もあわせてご確認ください。
永住許可の要件のまとめ
永住許可は、在留期間、素行、生計、公的義務の履行を総合的に見る審査です。2026年の改定で収入や日本語能力の考慮要素が明確になり、申請日によって適用される基準が異なります。申請の時期と準備の順番を、早めに設計することが重要です。
TIMOAは、提携する行政書士・税理士・社会保険労務士とともに、適用されるガイドラインの確認、納税と社会保険の記録の整理、申請書類の準備まで支援します。詳しくはビザ・人材・生活のサービスをご覧ください。
よくある質問
特定技能1号や技能実習の期間は、就労資格の5年に数えられますか?
数えられません。ガイドラインでは、技能実習と特定技能1号は、5年以上の在留が求められる就労資格から除かれています。
今から申請すると、どのガイドラインが適用されますか?
2027年3月31日までの申請には、2026年2月24日改訂版が適用されます。ただし収入に関する部分は、2026年10月1日改定版が適用されます。2027年4月1日以降の申請には、改定版が全面的に適用されます。
在留期間が3年でも申請できますか?
ガイドラインでは、現在の在留資格で最長の在留期間を持っていることが求められ、これまでは当面3年を最長として扱う運用が示されてきました。改定版での扱いと経過措置は、申請前に出入国在留管理庁の案内で確認します。
永住許可の手数料はいくらですか?
手数料は許可を受ける際に納めます。報道によると、2026年10月1日から20万円に引き上げられました。申請の時期による扱いは、出入国在留管理庁の案内で確認します。
参考・出典
- 出入国在留管理庁 永住許可に関するガイドライン(令和8年10月1日改定) www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂) www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 永住許可(入管法第22条) www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 永住者の在留資格の取消しに関するガイドラインについて www.moj.go.jp
- 出入国在留管理庁 永住許可申請(手続と標準処理期間) www.moj.go.jp